山代温泉(石川県加賀市)の夏の風物詩、山代大田楽(主催・山代温泉大田楽実行委員会)が7月29、30日、服部神社前特設ステージで行われた。終盤の「乱舞」では出演者と観客が即興で踊り、盛り上がった。
大田楽は、平安時代から室町時代にかけて日本全国で流行し、その後姿を消した芸能「田楽」を再現したもの。山代温泉では1996年の開湯1300年祭を機に、地域活性化のため、市民参加型の祭りとして始まった。今回で22回目となる。
午後8時、大田楽の中枢部隊「山代わざおぎ」のメンバーら出演者約140人が行進して登場し、大田楽が始まった。開湯伝説のカラス面をつけて踊る「烏剣舞」や地元の子どもたちによる番楽「わらべ番楽」、うさぎのような足踏みで地霊を鎮め、五穀豊穣を祈願する「兎楽」などが披露され、会場は幻想的な雰囲気に包まれた=写真。
2003年には日米修好150周年記念行事として、在米日本大使館から招聘され、スミソニアン博物館などで上演されている。
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旅行会社などを招いて山代大田楽をPRする招聘事業が30日夕、旅館「葉渡莉」で開かれた。冒頭あいさつした山代温泉観光協会の萬谷正幸会長は「山代温泉の夏の風物詩として年々盛大になりつつある。しかし、知名度はいまひとつだ。観覧して祭りの素晴らしさを実感していただき、全国に情報発信してほしい」と期待した。
来賓の宮元陸加賀市長は「山代を代表する民俗芸能に成長した。シンガポールでの公演はすごい人気で、絶賛された」と高く評価した。