国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1171会員)の通常総会が1日、東京・千代田区のグランドプリンス赤坂で開かれた。佐藤会長=写真=は冒頭のあいさつで、旅館の営業力の強化について「旅行会社に頼りきった体質を変えなければ明日はない」と旅館の自助努力を訴え、国内外への客室販売の実証実験などを足がかりに、国観連としてさらなる事業を推進したい考えを示した。
佐藤会長は、旅館客室の販売手数料率の問題に触れ、旅行会社との関係だけでなく、「宿泊予約サイト(ネットエージェント)の手数料も将来このまま据え置かれる保証はない」と指摘。「旅館の営業力の弱さを問題視し、(流通のパートナーと)対等の関係を築く必要がある。旅館の窮状を救うには旅館の努力しかない」と述べ、国観連が実施する事業への参画を会員に呼びかけた。
また、佐藤会長は、政権交代に伴う政治とのかかわりについて、「旅館業界の窮状を救って、観光で日本を建て直すという認識を共有する政治家を支援する」との姿勢を説明した。具体的には、旅館業の固定資産税の軽減、国内旅行費用の所得税控除、NHK受信料の見直しなどの実現に向けた協力を重視する。
欠員補充に伴い 新役員4氏選任
国観連の通常総会では、役員の欠員補充などの提出議案が原案通り可決された。今年度会費額は現行通りだが、今後の会費設定については国際観光ホテル整備法の登録施設と非登録施設の区別をなくすことを含めて検討していくことも報告された。
総会や懇親会には、藤本祐司国土交通大臣政務官や溝畑宏観光庁長官をはじめ、民主党など連立与党の国会議員で構成する観光振興議員連盟会長の川内博史衆院議員、自民党観光産業振興議員連盟会長の細田博之衆院議員らが駆けつけた。
欠員補充に伴う新役員は次の通り(敬称略)
理事=柄澤章司(菅平高原ホテル柄澤、関東甲信越支部)、大野茂正(ホテル大野屋、伊豆箱根支部)、尾鷲綱三(味わいの宿ときわや、同)
幹事=湯通堂温(ホテル秀水園、九州支部)