観光庁は6月30日、2014年の日本人の国内旅行の延べ旅行者数、旅行消費額の確定値を発表した。宿泊、日帰りを合わせた延べ旅行者数が約6億人、旅行消費額が約18兆5千億円で、ともに前年の実績を下回り、10年以降の過去5年間で最低だった。消費税率の引き上げに所得の上昇が追い付かなかったことなどが要因と見られている。
旅行・観光消費動向調査に基づく結果。6月9日に公表した15年度版「観光白書」に記載された数値は速報値だったが、今回発表したのは確定値。
国内旅行の延べ旅行者数は前年比5.7%減の5億9522万人。内訳は宿泊旅行が7.2%減の2億9734万人、日帰り旅行が4.1%減の2億9788万人。
国内旅行の旅行消費額は同8.1%減の18兆5498億円。内訳は宿泊旅行が9.1%減の14兆124億円、日帰り旅行が5.0%減の4兆5373億円だった。
観光白書では、14年の国内旅行の減少要因について、「消費税率引き上げや輸入物価の上昇等による物価上昇に、所得の上昇が追い付いていないことに加え、駆け込み需要の反動減や天候不順等が影響したため」と分析している。
出張や帰省などを除いて観光・レクリエーションに旅行目的を限ると、延べ旅行者数は同8.9%減の3億4865万人で、内訳は宿泊旅行が9.3%減の1億6003万人、日帰り旅行が8.6%減の1億8863万人。旅行消費額は同9.3%減の11兆4517億円で、内訳は宿泊旅行が9.8%減の8兆5339億円、日帰り旅行が7.8%減の2兆9719億円だった。
また、宿泊旅行統計調査の14年の確定値も発表された。年間の延べ宿泊者数は前年比1.6%増の4億7350万人泊だった。
内訳は、日本人の延べ宿泊者数が0.9%減の4億2868万人泊、外国人の延べ宿泊者数が33.8%増の4482万人泊だった。