厚労省、民泊サービスは届け出制視野に法整備


 住宅を宿泊サービスに利用する民泊について、厚生労働省は15日、管理機能などで一定の要件を満たす民泊サービスについて、旅館業法の営業許可制より規制が緩やかな届け出制などを念頭とした法整備を目指す方針を示した。観光庁とともに設置している有識者会議の中間報告にも盛り込まれた。対象とする民泊サービスの要件は今後の検討事項で、有識者会議の意見、海外の事例などを参考に具体化するが、家主の居住や家主に代わる事業者の介在といった管理態勢のあり方、営業日数や宿泊人数の上限設定の必要性などを論点とする。

 新たな法的体系の対象となる民泊サービスの要件については、有識者で構成する「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」(座長・浅見泰司東京大学大学院工学系研究科教授)の中でも合意に至っていない。15日の第7回会合で了承された中間報告には、代表的な意見が複数列記された。

 要件に関する代表的な意見には、「家主居住で自宅の一部を貸し出すようなホームステイタイプの民泊サービスのうち、営業日数、宿泊人数、面積規模などが一定以下のものに対象を限定すべき」「家主不在の民泊サービスも、管理事業者を介在させ、家主に代わって一定の責務を担わせることで対象とすべき」などがあり、今後の検討課題となっている。

 厚労省は要件を具体化するとともに、届け出制の是非をはじめ、民泊サービスの提供者の義務、規制や行政処分のあり方も詰める。有識者検討会の中間報告では、宿泊者名簿の備え付け義務、最低限の衛生管理措置、立入検査などの行政処分の必要性が指摘されている。

 また、インターネットなどを介した民泊サービスの仲介事業者への規制も検討課題とした。有識者会議は中間報告で、「違法なサービスの仲介行為や広告行為を禁止するなどの一定の規制を課す必要がある」と提言。観光庁とともに旅行業法との関係の整理、海外の事業者に対する規制の実効性の確保などについて検討する。

 一定の要件を満たす民泊サービスに対する法整備が、新法制定か、旅館業法改正かは、今後の議論を踏まえて整理するという。有識者会議の最終報告のとりまとめ時期を当初の夏、秋から6月中に前倒しし、法整備に早急に取り組む方針だ。

 
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