北海道の観光関係者、参院選候補者に観光政策直撃


立候補予定者5氏が登壇した「北海道の観光政策を直接聴く会」

立候補予定者5氏が登壇した「北海道の観光政策を直接聴く会」

 北海道の観光関係者らが参議院議員選挙立候補予定者に今後の観光政策を聞く「北海道の観光政策を直接聴く会」が6月25日、札幌市の札幌市民ホールで開かれた。立候補予定者5氏に北海道観光の競争力を高めるための施策や外国人観光客を増やすための施策を質問。5氏は政策の違いはみられるものの、観光が北海道経済で最も重要視するべき産業であり、今後伸ばすべき部門であるとの認識では一致した。

 会は北海道内の旅行会社でつくる「北海道の観光政策を直接聴く会実行委員会」(事務局=JTB北海道本社内)が主催。各社の協定旅館ホテル連盟、キャリア、観光協会、旅館ホテル組合などが協賛した。同様の会は2006年、沖縄県知事選挙の際に行われたことがあるが、国政選挙に合わせて行われるのは「恐らく初めて」(関係者)。壇上には参院選北海道選挙区の立候補予定者で、国会または道議会に議席がある政党の5氏が登壇。客席では道内の観光関係者約1500人が観覧した。

 コーディネーター(北海道新聞社編集局・菅原淳経済部長)が「北海道経済における観光の重要性」「北海道観光に対する国や地方自治体の施策、予算の現状」「北海道観光の競争力を高めるための対策」「外国人観光客を増やすための対策」の四つを質問。5氏がそれぞれの質問に1問4分の持ち時間で答えた。

 民主党の小川勝也氏は「もっとたくさんの人に来てもらい、お金を使ってもらうには体験型アクティビティやオプショナルツアーを創造すること。観光をコーディネートできる人材が必要だ。政治がしっかり後押ししていかねばならない」、自民党の伊達忠一氏は「日本の観光政策は諸外国に比べて遅れているが、政府も地方も挽回するため一所懸命取り組んでいる。今、北海道観光振興特別措置法の提案へ準備を進めており、成立すれば沖縄並みの(政治の)対応ができる」と述べた。

 みんなの党の安住太伸氏は「大事なことは、(観光業の)皆さんが事業をする上でネックとなる規制を取り除くことだ。観光予算がどう有効に使われているか、きちんと見る必要がある。財源、権限、人間を地域に下ろすべきだ」、日本共産党の森英士氏は「観光を元気にするには、国内観光客の家計を豊かにすること。賃上げと労働条件の改善を行えば消費力が生まれ、お金が観光にも回ってくる。特に若い人に北海道の魅力を実感してもらいたい」、新党大地の浅野貴博氏は「北海道が日本で唯一持つ長所の西欧的田園風景をしっかり生かすこと。道内を楽に移動するための高速道の整備も必要だ。外国人観光客を呼び込むには諸外国との良好な関係を築くことだ」とそれぞれ述べた。

 このほか沖縄県知事選の立候補予定者に観光政策を聞く会を開いた沖縄観光の未来を考える会の新垣安男代表理事(トップツアー沖縄国内旅行センター統括部長)が「沖縄は観光で生きる、その現状と未来」と題して講演した。

 観覧した旅館経営者の一人は「もっと突っ込んだ話を聞きたかったのが正直なところ。ただ、これを機に(政治家が)観光をさらに勉強してくれると思う。これだけの関係者が集まったこと自体も意義があることだ」と述べた。

 会の代表幹事の一人でJTB北海道の古田和吉社長は「今回の発言を参考に、正しい投票行動をしたい」と述べるとともに、観光の重要性を訴えるための新しい組織の立ち上げも表明。2年後の統一地方選挙の際も同様の会を開催する意向を示した。

立候補予定者5氏が登壇した「北海道の観光政策を直接聴く会」
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