全国企業の景気DI、3カ月連続で悪化


 帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の6月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.5ポイント減の41.3と、3カ月連続で悪化した。「熊本地震や燃費データ不正問題、イギリスのEU離脱決定など、国内景気は国内外から悪材料が相次いでおり、悪化傾向が続いている」と同社。51の業種別では旅館・ホテルが同2.4ポイント増の46.8と、3カ月ぶりに上昇した。

 業種別ではこのほか、娯楽サービスが38.4で、同1.6ポイント増。飲食店が40.2で、同2.1ポイント減。運輸・倉庫が40.0で、同1.5ポイント減。上昇は旅館・ホテルを含め、51業種中13業種にとどまった。

 10の業界別では3業界が改善、6業界が悪化、1業界が横ばいだった。このうち旅館・ホテルを含めたサービスが同0.1ポイント減の46.7。マイナス金利のプラス作用を受けた不動産が同0.1ポイント増の48.4。

 10の地域別では、2地域が改善、7地域が悪化、1地域が横ばいだった。このうち東海は同1.2ポイント減の41.5。燃費不正問題などが自動車関連業種に影響した。九州は同0.8ポイント増の42.5。地震発生で落ち込んだ分の揺り戻しもあり、「地震を契機に大きく落ち込んだ景況感は底を脱しつつある」。

 回答企業の主な景況感の回答は次の通り。

 「インバウンドによる観光業界の盛況やホテル建設規制の緩和」(現在、良い、織物卸売)。

 「燃油サーチャージがなくなり旅行需要が回復している」(現在、良い、一般旅行)。

 「5月のサミットの影響で観光客が減った」(現在、悪い、卸売市場運営)。

 「五輪特需とインバウンドの影響によりマンション、ホテルの計画がある」(先行き、良い、配管・暖房・冷凍装置・同付属品卸売)。

 「ビジネスホテルや民泊の案件が引き続き多い」(先行き、良い、家具・建具卸売)。

 「インバウンドの個人旅行客のほか、国内の可処分所得が高い女性の飲食消費は旺盛」(先行き、良い、菓子小売)。

 「2017年の大河ドラマ『女城主直虎』関連、および彦根築城410年祭等で彦根地域への誘客が期待できる」(先行き、良い、鮮魚小売)。

 「円高により、海外観光客のいわゆる『爆買』が低下する」(先行き、悪い、貴金属製品小売)。

 「乗務員不足による稼働率の低下は、年度内に下げ止まらない。1台当たり運送収入の伸びも鈍化傾向」(先行き、悪い、一般乗用旅客自動車運送)。

 
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