帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の6月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.6ポイント減の44.7と、2カ月ぶりに悪化した。燃料価格の上昇、ギリシャのデフォルト懸念など「国内景気は国内外において懸念材料が増しており、停滞感が強まっている」と同社。51の業種別ではホテル・旅館が同1.1ポイント増の54.2と、3カ月連続で改善した。
業種別ではこのほか、娯楽サービスが同2.3ポイント減の37.9。飲食店が同1.3ポイント減の48.3。51業種中33業種で前月を下回った。
10の業界別では8業界で悪化。改善は「金融」(同1.8ポイント増の49.2)、「その他」(同1.7ポイント増の41.9)のみだった。
10の地域別では、東北を除く9地域で悪化した。このうち九州は同1.3ポイント減の44.3。公共工事の減少とともに、各地で続いた大雨が景気に影響を及ぼした。東北は同0.1ポイント増の45.0と微増だった。
企業の規模別では、大企業が同0.8ポイント減の48.4。中小企業が同0.7ポイント減の43.6。中小企業のうち、小規模企業が同0.1ポイント減の43.1。6カ月ぶりに全規模が悪化した。
サービス業の景況感の主な回答は次の通り。
「消費税増税の影響が薄れるとともに、インバウンドの拡充もあり、二重の効果で売上高が増加している」(現在・よい、菓子小売)。
「熊本で飲食店をチェーン展開しているが、円安による輸入食材の値上がりもあり、景気は良くない」(現在・悪い、酒場、ビアホール)。
「東京オリンピック・パラリンピックまでは、工事量が右肩上がり傾向になると予想している」(先行き・よい、建設)。
「3カ月後の受注残の状況はやや良いが、6カ月後と1年後の状況は読み切れない」(先行き・どちらでもない、旅行)。
「ギリシャやウクライナでデフォルトの可能性があり、対処の仕方次第ではリーマン・ショック以上の世界的な金融危機が発生するかもしれない」(先行き・悪い、ソフトウエア受託開発)。