3、4日中心に多くが満室 コロナ前の水準には戻らず
緊急事態宣言など、3年ぶりに行動制限がない連休となった今年のゴールデンウイーク(GW)。観光経済新聞社が全国各地の主要温泉地に観光・宿泊客の入り込み状況を聞いた。5月3、4日を中心に宿泊施設が満室との声が多く、昨年、一昨年とは異なる様相。ただ、「コロナ禍前の6割程度」など、いまだ完全回復には至らないようだ。連休後の入り込みを危惧する声もあり、政府の今後の政策に期待がかかる。
北海道の登別温泉は、「連休が始まる前から連休期間の宿泊施設は(予約で)満室と聞いていた」(登別国際観光コンベンション協会)。
群馬県の草津温泉も「3、4日は満室。車で来られる方が多く、駐車場待ちの列ができていた」(草津温泉観光協会)。
静岡県の熱海市観光協会は、「コロナ前と遜色ない人出。『春のあたみビール祭り』を2~5日、3年ぶりに行い、かなりのお客さまが入った」。
佐賀県の嬉野温泉観光協会は、「昨年比120~130%の入り込みで、どこもほぼ満室。(近隣の)福岡、長崎からのお客さまがメインだが、関西や関東からも来られていた」。
ほかの温泉地も3、4日を中心に、かなりの観光・宿泊客があった模様だ。「期間中の4月29日から5月7日はほぼ満室。コロナ前に戻った感じ」(愛媛県・道後温泉旅館協同組合)、「各旅館、満室が多かったと聞いている」(山口県・長門湯本温泉旅館協同組合)、「温泉街を通るお客さまを見ると、(昨年に比べて)明らかに多い」(兵庫県・城崎温泉観光協会)、「コロナ禍の中では最高の入り込み。コロナ禍前の7~8割は戻った感じ」(兵庫県・有馬温泉観光協会)とそれぞれ手応えを口にする。
宮城県の鳴子温泉も「3、4日に(お客さまが)集中して多かった。天候に恵まれ、自粛や行動制限がなかった分、増えたのだろう」(鳴子温泉郷観光協会)。ダムの放流を虹色にライトアップする夜のイベントを2~4日に開催。温泉街からダムまでのおよそ4キロの道に渋滞ができるほど、多くの観光客でにぎわったという。
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