佐賀県の旅館、期間限定で幻の味覚を提供


 佐賀県旅館生活衛生同業組合の旅館18軒は、地元で採れたばかりの希少価値の高い生海苔を宿泊客に提供する「佐賀海苔ヌーヴォー」事業を12月1〜10日の期間限定で行う。同組合青年部(山口勝也部長)が企画したもので、昨年12月から始めた「焼き海苔三枚」事業に続く、地元の食材にこだわった地産地消事業の第2弾。地元ならではの魅力を伝えることで県内施設の入り込み増につなげたい考えだ。

 提供するのは地元有明海で11〜12月に収穫される秋芽海苔の中で、最も味と香りがよいとされる一番摘み。数千トンの水揚げがあり、ほとんどが板海苔などに加工され、高級食材として首都圏の料理店などで使われる中、旅館組合が70キロを確保。生のまま宿泊客に提供する。

 有明海で採れる佐賀海苔は、高いコストなどが影響して地元佐賀県の旅館で提供されることはあまりなかったという。県青年部では、地元ならではの味を宿泊客に味わってもらおうと、佐賀海苔の一番摘みを使った焼き海苔を宿の朝食で提供する「焼き海苔三枚」事業を昨年12月に開始。参画旅館が青年部にとどまらず県内各地に広がり、今年6月には全旅連の「第13回人に優しい地域の宿づくり賞」で最高賞の厚生労働大臣賞を受賞するなど、取り組みが業界内で高い評価を受けた。

 今回は地元産の一番摘みの海苔を生のまま提供。地元でも生産者しか味わったことがない“幻の味覚”という。参画する旅館18軒では夕食などに提供する。

 県青年部の山口部長は「海苔の刺身のような感覚で、わさびしょう油で食べるのがおすすめです。佐賀ならではの味覚を味わってください」と話している。

 県青年部では、来年3月の九州新幹線鹿児島ルート全線開通に合わせて「女性のための佐賀の利き酒セット」事業も企画している。地元の酒造組合、窯業組合、木工組合などと連携し、地元の女流作家が製作した焼物のぐい飲みと木工コースターのセットを用意。セットを使い、宿泊客に佐賀の銘酒の味比べを楽しんでもらう。

 
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