佐賀・武雄温泉のシンボル、20年ぶりに塗り替え


20年ぶりに塗り替えられる武雄温泉のシンボル「楼門」

20年ぶりに塗り替えられる武雄温泉のシンボル「楼門」

 武雄温泉(佐賀県武雄市)のシンボル「楼門」が1月中旬、塗り替えなどの修復工事に入る。塗り替えは1993年以来20年ぶり。この楼門は、東京駅丸の内駅舎を設計した地元出身の建築家、辰野金吾(1854〜1919)が手掛けたとあって、昨年10月の同駅舎復元完成を機に、同温泉の運営会社には楼門に関する問い合わせが増えており、会社側は観光客の増加に期待している。

 楼門は竜宮を連想させる朱塗りの門で、同温泉の入り口に立つ。「天平式楼門」と呼ばれ、くぎを1本も使用していない。辰野が設計し、同駅完成の翌年(1915年)に建てられた。2005年7月、国の重要文化財に指定された。

 運営会社の武雄温泉株式会社によると、数年前から傷みが目立ってきたことから修復の準備を進めてきた。しかし、東日本大震災によって補助申請を一時中断、昨年になって申請が認められたため、修復工事の実施が決まった。

 工事では塗り替えのほか、基礎部分の補強なども合わせて行う。8月下旬から9月ごろに完成する予定。工費は5200万円で、半額を国が補助し、残りを県と市、同社が負担する。

 同社の岸川日出男・総務課長は「東京駅復元完成と楼門工事着手の時期が近くなったのは偶然だが、結果的に問い合わせが増えるなど話題になってよかった。相乗効果が期待できる。観光客が増えるといったよい影響があると思う」と話している。

20年ぶりに塗り替えられる武雄温泉のシンボル「楼門」
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