伊勢市観光協会(三重県)はこのほど、伊勢市の観光を紹介する「伊勢観光御師(おんし)」を、観光関係の要職にあり伊勢にゆかりある5人に委託した。観光御師の名刺を持ってもらい、それぞれ様々な場面で伊勢の話をしてもらうことにより観光情報を全国に発信するのが狙い。
観光御師となったのは▽舩山龍二JTB会長▽太田孝KNT(近畿日本ツーリスト)社長▽松本正之JR東海社長▽松本久雄岡三興業社長▽上岡利夫西条祭り伊勢音頭連合会長──の5人。このうち太田KNT社長は伊勢市に隣接する玉城町、松本JR東海社長、松本岡三興業社長は伊勢市出身と伊勢にゆかりが深い。
5人には5月中に名刺を贈呈し、口コミで伊勢の観光情報を発信してもらう。報酬はなく、「5人が一同に集まっての活動も計画していない」(同観光協会)という。
「御師」は江戸時代を中心に伊勢参拝の勧誘や参拝客の宿泊、案内を一手に引き受けた下級神職で、旅行業の先駆け。一昨年行われた日本観光祈願祭の折に「御師」を舩山会長が紹介したことがきっかけで、今回の「伊勢観光御師」創設に至った。