新潟県五泉市の五泉市咲花観光協会(会長=森田克彦・碧水荘社長)はこのほど、咲花温泉に滞在する宿泊者に、地域の自然や歴史、文化に触れてもらう着地型観光プログラムの提供をスタートさせた。新潟県観光協会、じゃらんリサーチセンターの協力のもと、一般市民が参加する「旅づくり塾」の中で企画内容を考えた。室町時代に開かれた慈光寺での座禅と精進料理の体験、湧水からつくる地酒の酒蔵見学など、地域の資源を生かした8プログラムがある。
咲花温泉は、湯花が噴出していたことに由来する温泉で、美肌にも効果が高いと言われている。また、五泉は豊富な湧水が育む自然、村松藩の城下町として栄えた歴史や文化が息づく。プログラム内容に関しても、市民の意見を取り入れながらこれらの地域資源を生かした。
慈光寺では、約3時間の所要時間で座禅や講話写経、精進料理が体験できる。南北朝時代の武将、楠木正成の直孫の傑堂能勝禅師が開山した由緒ある寺だという。
湧水を使った地酒の清酒「菅名岳」の仕込み工程を酒蔵で見学できる体験は、試飲もでき、酒飴と酒粕のお土産付き。
このほかに、五泉に生息する絶滅危惧種の淡水魚、トゲソ(イバラトミヨ)をガイドの指導のもとで観察するプログラム、村松城跡などの城下町を散策する歴史ロマンの里ウォーキング、地域の伝説を語り聞かせる紙芝居のプログラムなどがある。
当面は同観光協会に加盟する8軒の宿が窓口になり、宿泊者に対して観光プログラムを提案する。森田会長は「市民の方々の協力で地域の魅力があふれるプログラムができた。PRに努め、参加者の反応をみながら別の販売手法なども検討していきたい」と話している。