日本政策金融公庫はこのほど、中小企業景況調査の今年4月調査分の結果を公表した。それによると、同月の中小企業の売上DIは前月から下降したものの、利益額DIは同上昇した。公庫では中小企業の景況を「持ち直しの動きとなっている」として、前月の判断を据え置いた。
調査は4月中旬、3大都市圏の同公庫取引先900社に行った。有効回答数620社で、回答率68.9%。
売上DI(増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス8.3で、前月のマイナス6.1から2.2ポイント、マイナス幅が拡大した。
売上DIは07年前半から、「減少」が「増加」を上回るマイナス値に転落。09年年初にマイナス40台と、近年の最悪を記録したが、その後、上昇傾向にある。
今後3カ月の売上見通しDI(季節調整値)は7.0で、前月の6.0から1.0ポイント、プラス幅が拡大。これで、3カ月連続のプラス値となった。
一方、同月の利益額DI(増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス0.8で、前月のマイナス3.0から2.2ポイント、マイナス幅が縮小した。
黒字の企業割合から赤字の企業割合を引いた値は10.6で、前月の2.8から7.8ポイント上昇。これで、2カ月連続のプラス値となった。
このほか販売価格DI(上昇とする企業割合から低下とする企業割合を引いた値)はマイナス9.4で、前月のマイナス13.7から4.3ポイント、マイナス幅が縮小。資金繰りDI(余裕とする企業割合から窮屈とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス5.4で、前月のマイナス3.0から2.4ポイント、マイナス幅が拡大。これで、32カ月連続のマイナス値となった。