中国地方の「夏の景色と食」に21件選定


 国土交通省中国運輸局、農林水産省中国四国農政局、日本観光協会中国支部は、地域が自慢に思う、または人々が訪れたくなるような中国地方の「夏のとっておきの景色と食」を選定した。「春のとっておき」に続く企画。一般からの応募(景色に633件、食に426件)を基に有識者会議で選んだ。「鳥取砂丘と岩ガキ」(鳥取県鳥取市)をはじめ、景色と食の組み合わせで21件を紹介している。

 選定基準は、(1)資源の育まれてきた由来や地域の歴史、文化とのつながり(2)他の地域にはない独自性(3)行きたい、食したいと思わせる魅力──など。有識者でつくる地域ブランド評価委員会で選定した。

 「鳥取砂丘と岩ガキ」では、沈みゆく夕日や夕闇に灯るいさり火が美しい夕方の砂丘と、夏に旬を迎える鳥取の岩ガキを紹介。岩ガキは殻長13センチ以上のカキを「夏輝(なつき)」と呼ぶという。

 「荒神谷の古代ハスと出西の新生姜」(島根県斐川町)は、大量の胴剣が発見された遺跡がある荒神谷史跡公園に咲く5千株、5万本のハスと、斐川平野の出西地区だけで収穫でき、「出雲国風土記」にも由来が記される出西ショウガの組み合わせ。ハスが観賞できるのは6月中旬から7月中旬まで、出西ショウガの収穫は7月から。

 このほか、「三次の鵜飼と天然鮎」(広島県三次市)では、400年を超える歴史を持ち、毎年6〜8月に行われる三次の鵜飼と、清流で育った天然鮎を紹介。「天満宮の御誕辰祭と天神鱧」(山口県防府市)では、菅原道真公の誕生を祝い、ろうそくで防府天満宮の参道を照らす御誕辰祭(8月)と、防府特産の天神ハモ。「宝福寺の庭園と玉どうふ」(岡山県総社市)では、夏に清涼な雰囲気をかもし出す宝福寺の庭園と、高梁川の伏流水を使った総社の名物、手作りの玉どうふを取り上げている。

 中国運輸局によると、「とっておきの春」の選定以降、地方自治体や旅行会社からの問い合わせもあるという。秋、冬も選定を行う。

 
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