観光庁の田村明比古長官は、19日の専門紙向け会見で、中国人向け個人観光査証(ビザ)の発給要件緩和について、東北数次ビザの範囲拡大が東北への訪問の増加につながることを期待した。
外務省は8日から中国人向け個人観光ビザの要件を緩和した。田村長官は「中国は団体から個人へと旅行スタイルが変化し、リピーターもだんだんと増えているので、市場の変化に対応していく。今後効果が出てくると期待している」と述べた。
緩和した個人観光ビザのうち東北数次ビザは、初回の宿泊先を現行では岩手、宮城、福島の3県に設定してきたが、青森、秋田、山形の3県を追加した。「全国平均から見ると伸びのペースが遅い東北に、より多く中国から旅行してもらえるようにしたい」(田村長官)。
観光庁の宿泊旅行統計調査の2016年年間値(速報)によると、中国人延べ宿泊者数は東北6県で8万5750人泊。全国合計は1683万4870人泊で、東北の構成比は0・5%にとどまっている。