三菱重工パワー環境ソリューションの空気浄化装置「オゾピュア」


オゾピュア(左)とオゾンレイザー

コロナの活動を抑制 宴会場やロビーなど大規模空間に

 集じん装置事業を中心に展開する三菱重工パワー環境ソリューション(横浜市)は、昨年9月に宿泊施設の宴会場やロビーなどの大規模空間を効果的に浄化する空気浄化装置を開発。観光業界に対して、設置を呼び掛けている。

 発電設備の総合排煙処理システムで培った電気集じん装置(EP)のノウハウを応用。放電技術を活用して装置内で生成したオゾンの力でウイルスの活動を抑制する点が最大の特長。

 2021年6月に奈良県立医科大学で同社製品と同じ放電方式により生成したオゾンを使って、シャーレに塗抹させた新型コロナウイルスの不活化効果の検証試験を実施。同社のオゾン生成技術が「新型コロナウイルスの活動を抑制できることを確認した」と営業本部の西山次朗氏。

 製品ラインアップは、微粒子の捕集とオゾンの散布を両立した「オゾピュア」と、オゾンの散布に特化した「オゾンレイザー」を用意した。

 オゾピュアは、EPと捕集用フィルターに加えて、オゾン分解フィルターを組み合わせた。定置独立タイプで、EPの静電気力により、「ウイルスのような微粒子を帯電させてフィルターで捕集する仕組みで、花粉や黄砂、PM2・5といった微小粒子状物質なども除去する」と西山氏。

 人が集まる日中の時間帯は、微粒子捕集運転を行い、捕集したウイルスはEPで生成したオゾンで処理。オゾンはその後、オゾン分解フィルターを通して、0.1ppm以下の安全な濃度まで低減し、浄化した空気を空間中に供給する。

 一方、夜間など人がいない時間帯には、微粒子捕集に加えて、EPで生成したオゾンをそのまま空間内に散布して、空間や床・壁に存在するウイルスの活動を抑制する。

 またオゾンレイザーは、EPの放電技術よりも効率的にオゾンを発生できる放電方式を採用した。微粒子捕集機能は備えていないが、オゾピュアよりも、多量のオゾンを生成し、使用環境に合わせオゾン濃度を一定に制御する運転が可能。

 さらにキャスターが付いているので、「手軽に移動でき、宴会場やロビーを含む広い空間を均一に浄化したい場合に最適。人がいない時間帯に運転して、ウイルスの活動を抑制する。こうした特長が評価され、オゾンレイザーを阪神甲子園球場内室内練習場に納入した」と話す。

オゾピュア(左)とオゾンレイザー

オゾピュア・オゾンレイザー


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