法隆寺や日光東照宮、姫路城など、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている日本の代表的な木造建築を紹介し、観光客を誘致しようというイベントがこのほど、米ロサンゼルス市の日米文化会館で開かれた。米メディア関係者や旅行会社をはじめ、日本文化に関心の深い米国人や日系団体のメンバーら約550人が参加した。
このイベントは「日本の木造世界遺産観光フォーラム」で、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)事業の一環。昨年1月のパリに続き2カ所目となる。国土交通省と、日本「木造の世界遺産」市町村連絡協議会(奈良市や斑鳩町など5市町で構成)主催。アジア太平洋観光交流センターが企画運営し、国際観光振興機構が協力した。
冒頭、映像で木造世界遺産と宮大工の技術が紹介された後、主催を代表してあいさつした島崎有平近畿運輸局長は「日本の文化について理解を深めていただき、訪日のきっかけにしてもらいたい」と呼び掛けた。
基調講演で西村幸夫東大大学院教授が「使用木材のヒノキは耐性に優れ、伐採後500年間は強度が増し、次の500年で元に戻るため、最低1千年は耐久性がある」などと話すと、会場から驚きの声が上がった。また5市町がそれぞれの世界遺産建築を紹介した。最後は、法螺貝を吹きながら入場した山伏姿の中井教善師(吉野大峯山護持院喜蔵院住職)による講演で締めくくった。
フォーラム後の交流会には米国関係者約200人が参加。「木造建築の素晴らしさを再認識した」「ぜひ訪れて実物を見てみたい」などの声が聞かれた。
中井教善師