年商規模で「二極化」
帝国データバンクによると、2016年度のホテル・旅館経営業者(7915社)の収入高合計は前年度比2・1%増の4兆9012億2500万円と、過去10年で最高を記録した。ただ、年商規模別で見ると、増収の構成比が「100億円以上」で62・1%、「1億円未満」で14・6%と、「年商規模による二極化が鮮明となった」(同社)。
ホテル・旅館経営を主業とする企業7915社を同社が抽出して調べた。
2007年度からの推移を見ると、同年度(4兆1138億9千万円、前年度比4・1%増)以降2011年度まで減少傾向が続いていたものの、翌2012年度(4兆531億5800万円、同6・0%増)以降は5年連続で増加が続いている。
2016年度の収入高傾向を年商規模別で見ると、規模が大きくなるほど増収の比率が高くなっている。「100億円以上」が62・1%、「50億~100億円未満」が58・1%、「10億~50億円未満」が49・1%。ただ、「1億円未満」が14・6%、「1億~10億円未満」が29・4%と3割未満にとどまり、二極分化の傾向にある。
全国11の地域別では、東京都、大阪府の大都市圏がある南関東、近畿と北海道、四国で増収の構成比が減収の構成比を大きく上回った。特にインバウンド消費の伸びが高い近畿で増収が33・1%と、11地域中最高になった。北陸は新幹線開業効果の反動減などがあり、減収の構成比が32・3%と11地域中最高だった。
業歴別では、「10年未満」で増収、「100年以上」で減収の構成比が最も高く、それぞれ38・2%、27・5%だった。「業歴が長くなるにつれ事業を多角化するケースもあり、催事事業や飲食事業など、宿泊事業以外の分野の業績が落ち込んだ企業での減収が目立つ」(同社)。