日本のホテル産業の社会的ステータス向上と、日本のホテルマンがプライドを持ってホテル産業に取り組むことを目的として、06年度に最も輝いたホテルプロパーの経営者、運営者、役員、幹部や社員を選び、功績を顕彰する「ホテリエ・オブ・ザ・イヤー2006」の表彰式が7日、東京・八重洲富士屋ホテルで開かれた。3回目を迎えた今回は勝俣伸・富士屋ホテル社長が受賞した。
主催は日本ホテル産業教育者グループ(山口祐司会長、大学教授約30人)。賞の選考基準は(1)ホテリエとしての一貫性(2)社会・地域貢献度(3)業界貢献度(4)将来における社会貢献度(5)人格・識見・社会貢献度──となっている。
「満場一致」(岩崎公生選考委員長)で選ばれた。受賞理由は、「宮の下富士屋ホテルは明治11年に山口仙之助氏が温泉旅館を買収し、洋風に改装、富士屋ホテルと改称した。外国人専門のホテルとして開業以来、国際観光地箱根というリゾートで、いまだそのクラシックな建物や施設などを維持し、観光地のホテル経営が低迷化する中で、たゆまぬ努力を重ねている。また箱根地区の観光産業・宿泊業界のリーダーとなり、その発展に寄与している。長年にわたり日本ホテル協会の研修委員会でホテルマンの社会的地位・能力開発に寄与し、今年度から研修委員長を務めている」となっている。
勝俣社長は「光栄だ。私でいいのかと思っている」と謙虚な姿勢で受賞の喜びを述べた。初代会長の鈴木博氏は「この会のメンバーは、日本のホテル業を推進する人がそろっている。果たす役割が大きい」と強調。作古貞義前会長は「ホテル産業をトヨタに次ぐような産業にしなければ社会的地位は向上しない」とした。江口恒明本社社長も今後を期待するあいさつを述べた。
なお、日本ホテル産業教育者グループは、ホテル・旅館経営のあらゆる分野の専門家で構成されており、同グループでは「講演、研修、コンサルティングなどで利用してほしい」(田中掃六流通経済大学教授、TEL045・846・1591)としている。
勝俣氏