ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄は25日、「瀬良垣島・クマノミ育成プロジェクト」を始めると発表した。
◆「瀬良垣島・クマノミ育成プロジェクト」とは
本プロジェクトは、当ホテルが、瀬良垣島周辺のクマノミを育成・保全しながら持続可能な観光の仕組みを作ることを目指し、沖縄県の「令和3年度沖縄観光コンテンツ開発支援事業」の支援を受けて推進するものです。クマノミの育成は、OISTで海洋気候変動の研究を行うティモシー・ラバシ教授の監修のもと慎重に進められます。
2021年6月から、OISTの臨海研究施設「OIST マリン・サイエンス・ステーション」において、海洋気候変動ユニットの協力により施設内の水槽でクマノミの孵化・飼育が始まりました。その後2021年10月末〜11月頃を目処に、育ったクマノミ稚魚を瀬良垣島周辺のクマノミ育成区域に放流し、海洋への復元に向けて経過観察を行う予定です。クマノミ育成区域は、野生のクマノミの生育状況や海洋環境を調査した上で設定されます。
本プロジェクトは自然の生態系を乱すことがないよう、最大限の配慮を施したうえで実施します。クマノミ放流前には周辺海域の野生のクマノミ、繁殖に使用される親魚のクマノミ、放流されるクマノミ稚魚のDNAを採集、OISTが集団遺伝学的解析を行います。この解析は、周辺海域および育成区域のクマノミの血縁関係を把握することを目的としています。育成区域は当ホテルに程近いため、一般の海域よりも経過観察の行いやすい環境となります。なお、本プロジェクトの進行状況は当ホテルのウェブサイトにて随時お知らせする予定です。
◆ホテルにて、シュノーケリングやダイビング体験を通して「海の豊かさを守ろう」を学ぶプログラムを開始
2021年11月より、放流したクマノミの良好な生育状況を確認したうえ、育成地域周辺のシュノーケリング・ダイビング体験に加えて、クマノミ保護・育成の背景やOISTの研究内容、そしてSDGsの目標のひとつである「海の豊かさを守ろう」を学ぶレクチャーを組み合わせたプログラムを開始する予定です。このプログラムを通じ、参加者に環境保全への理解を深めてもらうこと、またプログラムの売上の一部を将来のクマノミ育成に還元することで持続可能な観光に貢献することを目指します。
◆ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄の、プロジェクトに対する想い
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄は恩納村・西海岸エリアの沖縄海岸国定公園区域内に位置し、瀬良垣島周辺でのマリンアクティビティでは、豊かなサンゴ礁を抱く透明度の高い海で様々な海洋生物と出会うことができます。ホテルの周辺海域にはクマノミも生息し、その姿は観光客の目を楽しませていますが、同時に気候変動や開発などによる生息環境の破壊や変化、そして販売目的の漁獲などにより、近年沖縄県の海洋ではクマノミの個体数の減少が見られる状況です。 当ホテルとしては豊かな自然環境を楽しんでいただくプログラムを提供すると同時に、貴重な海の資源を守っていく活動ができないか検討しておりました。
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄は2021年3月に「おきなわSDGsパートナー」として登録され、SDGsの達成に向けた様々な取り組みを進めています。その一環として、本プロジェクトはSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」に向けたものとなります。当ホテルは今後もSDGs未来都市に選定された恩納村と連携し、地域の課題解決に貢献できるよう、活動を続けて参ります。
◆OISTラバシ教授、恩納村 長浜村長、ホテル総支配人からのコメント
OISTの海洋気候変動ユニットを率いるラバシ教授は、この取り組みについて、「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄の方々や沖縄観光コンテンツ開発支援事業の支援とともに、このプロジェクトに参加できることを大変嬉しく思います。クマノミは、美しい沖縄サンゴ礁の生態系に非常に重要な役割を果たし、また沖縄観光にとっても重要です。このプロジェクトにより、健全で豊富なクマノミのコミュニティを確保することで、これらの両方を支援できることは光栄です」と述べています。
沖縄県恩納村の長浜 善巳村長は「恩納村は豊かな自然に恵まれ、国内有数の観光リゾート地として成長してきました。本村ではこの自然環境を保全し、持続的発展が可能な社会の構築を目指し、『サンゴの村宣言』のもとSDGsの達成に向けた様々な取り組みを行っています。ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄が本村の取り組みと同調し、このプロジェクトを立ち上げることを嬉しく思います」と述べています。
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄の総支配人、村尾茂樹は「今回はOISTの海洋気候変動ユニットという専門家の協力を得て、このようなプロジェクトを進めることができるのを大変光栄に存じます。本プロジェクトを通じ、美しい瀬良垣島周辺の環境保全を目指すとともに、瀬良垣島の魅力を高めることで、お客様にも地域にも喜ばれるホテル作りをして参りたいと思います」とコメントしています。
<沖縄科学技術大学院大学(OIST)、海洋気候変動ユニットについて>
本プロジェクトは、OISTのティモシー・ラバシ教授率いる海洋気候変動ユニットから、科学的知見および技術的支援を受けて行います。
OISTは、「世界の科学技術の発展に寄与すること」に加え、「沖縄の自立的発展に貢献すること」をミッションとしています。恩納村内にメインキャンパスを構えるOIST は、同村瀬良垣区内に「OIST マリン・サイエンス・ステーション」という臨海研究施設を持ち、海洋に関わる様々な実験・研究を行っています。海洋気候変動ユニットは、マリン・サイエンス・ステーションの水槽内でクマノミなどを飼育し、海水温や二酸化炭素濃度などの環境の変化に対する海洋生物の適応性、順応性を研究対象の一つとしています。本件に関するOIST側の取り組みは、ウェブサイト(URL:https://groups.oist.jp/ja/macc/seragaki-island-clownfish-restoration-project) をご覧ください。