国土交通省は6日、今年度のニューツーリズム創出・流通促進事業で、地域から応募があったモニターツアー46件を実証事業として支援することを決めた。この実証事業は昨年度に続き2年目。ヘルスツーリズムや産業観光、エコツーリズムなど、地域の資源を生かしたユニークな旅行商品が集まった。
健康をテーマにしたヘルスツーリズムでは、温泉、食、森林などの資源を生かし、医療機関と連携した取り組みも目立つ。山梨県の湯村は、山梨大学医学部と連携した滞在型ヘルスツアーを企画。大分県の別府は、禁煙をテーマにしたツアーを考案した。
産業観光では、今年3月に「エコアイランド」を宣言した沖縄県の宮古島が、エコ産業施設などの視察ツアーを組んだ。兵庫県の三木は、地場産の肥後守ナイフの製作などが体験できるツアーを造成した。
歴史や文化を生かした物語性のあるツアーも登場。愛知県の東三河、尾張・海部で繰り広げる「武将観光の旅」は、信長コース、家康コースなどを組む。島根県の松江は、小泉八雲をテーマに、現代では希薄に感じられる“闇”を体験するツアーを企画した。
各モニターツアーは、今月から来年1月末までに催行される。
今年度のニューツーリズム創出・流通促進事業では、モニターツアーの追加募集を7月上旬にも行う。また、国交省は、商品を造成した着地側の地域と、発地側の旅行会社とのマッチングの場として、インターネット上に構築したデータベースの活用を促進していく。データベースには、ニューツーリズムの旅行商品を掲載できる。旅行会社にはログイン用のパスワードを付与している。