コンベンション参加者にタクシー運賃の半額助成 富山県


 富山県は今月から、会議、学会などのコンベンションに参加する県外からの訪問者が観光にタクシーを利用する場合、運賃の半額を助成する事業を始めた。県のほか、富山市など9市、タクシー事業者が半額分の運賃を負担。コンベンションの誘致、周辺観光への誘導に向けて、コンベンションタクシーの制度をPRしていく考え。全国で初めての試みだ。

 試行的な事業として2010年3月まで実施する予定。富山県のほか、富山、高岡、射水、魚津、氷見、滑川、黒部、砺波、南砺の9市が参画。タクシー事業者は、法人32、個人27の計59社が、コンベンションタクシーの実施に向けて料金変更の認可を受けている。

 運賃の割引分は、県とタクシー事業者の所在する9市がそれぞれ2割、タクシー事業者が1割を負担する。

 対象となるコンベンションは、9市のいずれかで開催され、複数県にまたがる規模の学会、会議、大会であることなど一定の条件がある。県外参加者は、事前にコンベンション主催者を通じて半額券を申請する。9市内に宿泊することが条件だ。

 県などは6月25、26の両日、コンベンションタクシー事業の開始に向けて、運転手を対象にした観光ガイド養成講座を開いた。2日間合わせて77人が講座を修了した。県によると、受講希望者は約300人に上るほど関心を集めており、今後も順次講座を開催する。

 富山県には、富山市内に6カ国語の同時通訳などが可能な国際会議場、黒部市内にも宇奈月国際会館といった大型会議施設がある。ただ、コンベンション開催地としての知名度は必ずしも高くなく、その向上が課題となっている。

 県観光・地域振興局観光課コンベンション誘致班の下川雅一班長は「コンベンションタクシーを付加価値として打ち出し、会議の誘致、会議参加者の増加につなげたい。人気の観光地、立山・黒部アルペンルートなどの観光をセットにした提案も考えていきたい」と話す。

 
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