クラブツーリズムは今年度、富裕層を中心とした、アッパーミドル以上の層を取り込むための取り組みを本格化させる。同社の国内、海外の最上級旅行商品ブランドを一本化して顧客の共有化を図るほか、ブランドイメージをけん引する旗艦店を東京・銀座に開くことで、同社の最上級旅行商品ブランドの浸透と取り扱い拡大を狙う。
同社は10日、富裕層向け旗艦店「ロイヤルステージ銀座サロン」のメディア向け内覧会を開催し、店舗概要などを説明。冒頭あいさつした小山佳延・取締役営業本部長は、最上級ブランドを取り扱っていた「丸の内倶楽部支店」が05年に新宿へ移転したことで富裕層顧客が離れたことに触れ、「銀座など東京の中心部に最上級ブランド専門の店舗を構えることは悲願だった」と銀座サロンへの強い思いを語った。
同社はこれまで、最上級旅行ブランドとして、海外は「丸の内倶楽部」、国内は「四季の華倶楽部」を展開し、会員数はそれぞれ1万5千人、3万人。いずれも売上高は明らかにしていないが、旅行業界が全般的に低迷した昨年も「営業成績は落ちず、計画値を達成している」(小山営業本部長)。同社の業績が堅調であることなどから、この時期の銀座サロン開設に至った。
開設した銀座サロンには「銀座ロイヤルステージ海外支店」「銀座ロイヤルステージ国内支店」を開き、計50人のスタッフを配置。最上級旅行商品ブランド「ロイヤルステージ」を専門に販売する。また同サロンでツアーの個別説明会や会員の誕生日イベントも開催し、顧客との関係深化を図る。銀座という立地を生かし、買い物目的で銀座に集まる富裕層への旅行案内なども行い、新規顧客の掘り起こしも進める。
最上級ブランドはこれまで首都圏でのみ展開してきたが、銀座店の動向のほか、顧客の要望や経済の回復状況次第では、大阪、名古屋でも展開する考えだ。
東京・銀座のティファニービルの富裕層向け旅行サロン