5万平方メートルの敷地にホテルと庭園を構えるシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(千葉県浦安市、841室)。緩やかなS字型を描く外観は大波を、オーシャンビューを望む各部屋のバルコニーは小波を表している。その同館は最近、一部客室の改装をきっかけに各客室フロアにクボタ製のローハイト型自動販売機19台を導入した。ラグジュアリーホテルが自販機を導入することは極めて異例という。
ローハイトとは自販機の高さが低く、ユニバーサル設計が盛り込まれているもの。高さは通常機に比べ約400ミリ低い1412ミリに抑えた。これによるメリットは(1)視界を遮らずに視認性が確保できる(2)自販機設置による圧迫感の排除(3)スプリンクラーからの距離を確保でき消防法に抵触しない—など。ノンフロン冷媒などを使い環境に配慮したほか、大きく押しやすいボタンなどユニバーサル設計も特長だ。
同館は、近隣にある東京ディズニーリゾートのオフィシャルホテルで家族客が多い。そのため「客室に設置していたミニバーがほとんど使われていなかった」と宿泊部長の生沼久氏。ミニバーは商品の賞味期限の確認などで手間もかかり「ミニバーの代わりに自販機を設置したかった」。消防法も採用を後押しした。天井に設置されているスプリンクラー近くに自販機を置く場合は450ミリ離す必要がある。ローハイト型であれば消防法に抵触することはまずない。
「自販機導入後、びっくりするほど商品が出ている」と生沼氏。「お客さまとホテル双方にメリットがある」と評価する。同館ではフロアごとのイメージに合わせて自販機をラッピング。そのデザインも好評だ。
この件についての問い合わせ先は、クボタ自動販売機営業部TEL03(3245)3955。
客室フロアに設置された自販機