帝国データバンクによると、静岡県下田市の清流荘(資本金8200万円、田中亜樹代表、従業員25人)は14日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日保全命令を受けた。負債は約3億円。
同社は1939年6月設立。下田蓮台寺温泉にある純和風の高級温泉旅館。79年にカーター米大統領(当時)が宿泊したことで知名度が上がり、風趣のある施設として格式の高さを売りにしていた。
また、欧米を中心にホテルやレストランが加盟する国際組織、ルレ・エ・シャトー協会(パリ)にアジアで初めて加盟、国内外の顧客ニーズにも対応できるサービスを念頭においた経営を進めていた。
しかし、同業他社との競争激化や長引く不況の影響を受け、来客数が減少し稼働率が低下、09年5月期の年収は3億円程度に落ち込み、赤字経営が続いていた。設備投資に伴う借り入れ負担も重荷となる中、取引金融機関との折衝で借入金の圧縮を進める一方、収益の改善や運転資金確保に努めていたが、結局、支え切れずに今回の措置となった。
スポンサーとして、丸和通運(東京都荒川区)が支援を表明しているという。