日本政府観光局(JNTO)が9月20日に発表した今年8月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比20・9%増の247万8千人で、8月の最高値を更新した。中国が全市場を通じて初めて80万人を超え、月間で過去最高を記録。多くの市場で夏季休暇のシーズンを迎え、訪日需要全体として堅調に推移した。
政府のビジット・ジャパン(訪日旅行促進)事業の重点20市場のうち、月間最高を記録した中国のほか、インドネシア、イタリア、ロシア、スペインを除く15市場が8月の過去最高を記録した。
中国は21・1%増の81万9700人。伸び率は今年2月から1桁が続いていたが、7カ月ぶりに2桁を回復した。個人旅行の増加、クルーズ船の寄港数増加や乗船率上昇などが要因とみられる。
観光庁の田村明比古長官は同日の会見で、中国市場について「個人観光の1次ビザ(査証)、5月に発給要件を緩和した数次ビザの発給が増えていると聞き、急速な個人旅行化の中でプラスに働いた」と指摘した。
中国以外の東アジア4市場も好調だった。韓国は35・3%増の62万900人、台湾は13・4%増の37万7800人、香港は23・5%増の19万6800人。LCC(格安航空会社)、チャーター便を含む航空路線の拡充が訪日客数を押し上げた。
欧米豪の市場は、米国が3・6%増の9万2千人、豪州が14・5%増の2万2200人、フランスが3・9%増の2万4600人など。東南アジアは、タイが4・4%増の3万6200人、ベトナムが43・6%増の2万4700人など。