旅館のホームページ制作・経営コンサルティングのアビリティコンサルタント(名古屋市、的場弘明社長)は7日、宿泊施設向けセミナー「ホテル旅館業界最前線・業界No.1のWEBマーケティング 〜インターネット集客〜成功事例大公開セミナー」をJR東京駅前の貸し会議室で開いた=写真。
東京支店の水野真寿支店長、コンサルティング事業部の山口聡一郎部長、インターネット事業部の永井洋部長、社長で経営コンサルタントの的場氏の4人が講師を担当。全国の旅館・ホテルから32人が参加した。セミナーは新社会システム総合研究所(小田中久敏社長)が主催した。
永井氏は、ブログ、クチコミ、ツイッターなどを利用した自社サイトでの集客手法を紹介。「ブログは自社ドメインでの展開が基本。外部の無料ブログへのリンクでは記事を書くことのメリットが享受できない」「楽天トラベルやじゃらんnetなどの外部サイトのクチコミにリンクをはっている宿があるが、閲覧者が自社サイトに戻ってこない可能性がある。クチコミも自社サイト内で展開すべき。ネットエージェントサイトと同様のクチコミ機能なら簡単に導入できるし、宿泊客の写真や手書アンケートを見せる手法もある」「ツイッターには情報をリアルタイムに伝えることができる利点がある。自社サイトにツイッターを導入する際にはトップページに単にバナーを置いてリンクするのではなく、『つぶやき』の内容が表示されるモジュールを埋め込んだ方がよい」などと解説した。
iPhoneなどのスマートフォン、iPadなどの新しい電子端末についても言及。「(これら端末の)ネット接続環境の整備が進めば、(利用者にとって)非常に強力な情報収集ツールとなる。(宿泊予約窓口の1つとして)注視していく必要がある」と指摘。
的場社長は最後に講演。「いま全国の旅館・ホテルで前年実績を上回る売り上げをあげている施設では、伝統的旅行会社(リアルエージェント)からの送客減を10%以内に収めた上で、ネットエージェントと自社サイトで減少分以上を伸ばしているところが多い。リアルエージェントからの送客が前年比20%以上減っている施設も多いが、これはネットでは挽回が難しい。リアルエージェントとの関係も大切。販売チャネルはフル活用すべき」「ビジネスホテルが大浴場を備えたり、家族向けプランを販売したりして、観光ホテル化し、旅館の脅威となってきている。足元の日本人マーケットを確実におさえることが経営上、重要だ」などと話し、経営アドバイスをした。
アビリティコンサルタントは旅館のウェブサイト制作の草分け。これまでに800社以上のサイト制作実績がある。