アジアとの交流拡大を通じ日本の成長力を確保するための構想を議論してきた政府の「アジア・ゲートウェイ戦略会議」(議長・安倍晋三首相)は16日、航空市場の自由化促進などを盛り込んだ最終報告をとりまとめた。最終報告は観光振興の重要性にも触れ、日本の魅力の向上、発信に貢献した外国人を首相が表彰・顕彰する制度の創設や、海外にクリエイティブ・センターを設立することなどを求めた。
最終報告は6月の「経済財政運営の基本方針」(骨太方針2007)に盛り込み、順次実現を目指す。
構想の最重要項目の1つに「日本の魅力の海外発信」を盛り込んだ。柱は、総理表彰・顕彰制度創設とジャパン・クリエイティブ・センター(仮称)の設立。
表彰・顕彰制度については「日本独自の評価」を世界に分かりやすい形で示し、将来の日本の魅力の担い手を国内外に増やしていくのが狙い。具体的には「漫画など日本独自の表現方式を使った作品、世界が憧れる日本の表現者、日本の魅力の向上・発信に貢献した外国人などを首相が表彰・顕彰する」もの。
また、センターはシンガポールを皮切りに海外に設立する。センターでは日本語教育や留学生支援に加え、官民協力のもと、「メディア芸術祭」「日本ファッションウイーク」などといったイベントや、有名漫画家による漫画教室の開催など、「目に見える形での魅力的なイベントを恒常的に実施する」と方向性を示した。