4月1日〜6月31日に開催された「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」の成果に関する福島県などによる記者会見が24日、福島市内で開かれた。発表されたDC期間中の観光客入込数(速報値)は、県内252地点合計で1357万5051人となり、前年同期に比べて12.2%(147万1528人)増加した。
第2四半期の観光客入込数としては震災以降最多を記録し、震災前の約9割まで回復した。地域ごとの観光客入込数は、中通りが6.8%増、会津15.6%増、浜通り19.3%増となり、すべての地域で前年同期を上回った。
とうほう地域総合研究所の試算によると、経済波及効果は約295億円。その内訳はDC開催による直接効果が約116億円、1次波及効果(原材料購入など)が約147億円、2次波及効果(雇用所得増加など)が約32億円。
記者会見には、内堀雅雄・福島県知事、JR東日本から向山路一水戸支社長、松木茂仙台支社長が出席した。
ふくしまDCの成果について内堀知事は「県民総参加でDCを盛り上げ、企業、団体との連携が拡大し、感謝の気持ちが心からのおもてなしとなって現れたことが最大の成果だ」と強調した。
向山水戸支社長は「風評被害が残る福島県にとって、地域が一体となって観光に取り組み、復興につなげる新たな一歩となった」。松木仙台支社長も「約3千の観光素材の掘り起しや商品化への取り組みなど、広域連携によるネットワークを築き上げたことはこれまでにない成果だ」と語った。
福島県などは、来春のアフターDCに向けて、DC効果を一過性に終わらせないよう観光振興に取り組み、特に震災前の5割に満たない訪日外国人旅行者、教育旅行の誘致拡大に注力する。
記者会見後には、県内の自冶体、観光・旅館業界の関係者ら約300人が出席し、各地域のDCでの取り組み事例を紹介する発表会が行われた。
内堀知事(中央)、松木支社長(右)、向山支社長(左)が成果を強調