兵庫県のひょうごツーリズム協会は1〜2日、旅行会社の商品造成担当者らを対象に「現地視察研修会」を実施した。テーマは「但馬の歴史、ふるさと資源に触れるプラン」。近年注目を集めている朝来市の竹田城跡をはじめ、香美町、新温泉町、養父市などの歴史や文化、自然などの観光資源を紹介した。
テレビの情報番組などで取り上げられ、観光客が急増しているのが朝来市の竹田城跡。秋の早朝に多く発生する雲海で城跡が雲の上に浮かぶ様子が珍しいことで注目を集めている。同協会では雲海の時期だけでなく、今後は桜の名所や当時のまま保存されている城跡の魅力などもアピールしたい考えだ。
香美町、新温泉町では今年度内に世界ジオパークの認定が期待されている山陰海岸ジオパークを紹介。遊覧船で奇岩や洞門などを見学してもらった。すでに日本ジオパークには認定されているが、世界規模で認定されると観光客の増加に弾みがつきそうだ。
新しく掛け替えられた餘部橋梁も視察コースに組み込んだ。以前の鉄橋の一部を生かして、空の駅や展望台が整備される。
宿泊は、湯村温泉の佳泉郷井づつや。整備された荒湯や足湯、外湯の温泉会館「薬師湯」などを浴衣で散策体験してもらった。
養父市では、近代産業遺産に登録されている一円電車と明延鉱山探検坑道を紹介した。日本最古の鉱山で、採掘された銅は奈良の大仏建立にも利用されたという。1987年に閉山されたが、内部は観光地化されずに、往時の様子を残している。
同協会では、「高速道無料化実験が行われている若狭舞鶴道を利用するコースが組めるエリア。今後も道路整備が予定されており、阪神地区からのアクセスが向上する。兵庫県では旅行業者向けにバスの助成制度があるので、うまく活用してもらい、未開発の観光資源を生かした旅行商品を造成してもらいたい」と話している。
明延鉱山探検坑道(養父市)