岩手県のさんりく基金(代表理事・千葉茂樹副知事)は、東日本大震災で被災した沿岸部12市町村の旅館・ホテルの宿泊などに利用できる「三陸応援交流券」(3万円分)を首都圏在住の300組に進呈する。受け取った人はレポーターとなって現地を訪れ、復興レポートを書いてもらうのが条件。レポートはホームページ(HP)などで公開する。被災地の今の姿を見てもらい、広く伝えることで多くの人に足を運んでもらうのが狙い。
この事業は「冬の三陸まるごと体験事業」で、同基金にとっても初の試みとなる。「復興した宿に泊まって、食べて、買って、応援を」と参加を呼びかけている。事業費900万円は基金から充当する。
釜石市や陸前高田市、大船渡市、岩泉町、山田町、田野畑村など12市町村の、営業を再開した15の旅館・ホテルが参加。宿泊費のほか、飲食店での食事、商店での買い物などで使える交流券を抽選で300組に進呈する。カップルは特に限定せず、夫婦や友達でもいい。対象は東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県在住の20歳以上の人。
交流券を受け取った人は「いわて三陸“復興応援レポーター”」となって、5コースの体験ツアーに参加、終了後旅のレポート(写真および400字程度の感想文)を書き、同基金に提出しなければならない。
コースは「洋野・久慈・野田・普代」「田野畑・岩泉」「宮古・山田」「大槌・釜石」「大船渡・陸前高田」の5つ。
例えば、田野畑・岩泉(募集人員40組80人)は1月26、27日の1泊2日の日程で、ホテル羅賀荘、ホテル龍泉洞愛山、龍泉洞温泉ホテルのいずれかに泊まる。モデルコースには龍泉洞やサッパ船クルーズ、北山崎展望台、車窓から見る田老地区などを組み入れている。宿泊先までの往復交通費は自己負担。
募集期間は12月15日まで。住所、氏名と同伴者名、希望日程などを記入した上で、はがきかメールで申し込む。問い合わせはめんこいテレビ内三陸応援交流券事務局、TEL019(656)3301。11月26日から募集を開始したが、順調に申し込みが入っているという。
田野畑・岩泉コースの3軒以外の宿泊施設は次の通り。
新山根温泉べっぴんの湯、侍の湯きのこ屋、えぼし荘、宮古ホテル沢田屋、グリーンピア三陸みやこ、浄土ヶ浜パークホテル、休暇村陸中宮古、宝来館、陸中海岸グランドホテル、大船渡プラザホテル、オーシャンビューホテル丸森、ホテル福富。
応募を呼びかけるポスター