2月18日から21日までホテレスJAPAN2020が幕張メッセで開催されます。私の活動している国際観光施設協会は主催者団体の一つとして、八つのチームがそれぞれのテーマで観光産業に関する研究の成果を「日本のこころ」をメインテーマで発表します。
「木づかいのこころ」では国産材を活用してそれを資源に「おもてなし」につなげる活動を紹介し、「巧みのこころ」は新電動車椅子で既存のユニットバスを利用する実証実験の紹介、旅館観光地分科会はIT、IoT、AI技術を使ってデータを利活用し、宿泊施設をコンシェルジュ化する取り組みの研究を発表します。耐震研究会は耐震改修が観光産業の未来につながる考え方を伝えます。
私の担当は「エコ・小のこころ」で「気候変動を招く温暖化効果ガス削減と生産性向上を同時に目指す」をテーマに会員企業11社と連携して発表します。(1)水光熱費の見える化では作業改善につながる取り組み、(2)循環ポンプにはインバータをつけようでは大幅な電力削減の実例を紹介し、(3)温泉設備の改善では節水と温泉の付加価値を高める方法を示します。
(4)食器洗浄を見直そうでは生産性を向上させる手法を示し、(5)最新型冷蔵庫に取り換えようでは最新省エネ型冷蔵庫が数年で償却できることを示し、(6)LEDで空間に付加価値をではLEDのシーンコントロールが省エネと生産性向上、付加価値向上につながることを示します。(7)エアコンで付加価値をでは個別エアコン化の方法と効果を示し、(8)エコ・小でデザインするは設計の実例を紹介します。またホスピタリティーデザインセミナーではオークラ東京をはじめ最新ホテル等の12コマのセミナーがあります。19日の14時からは涌井史郎副会長の「グリーンインフラとソサエティ5.0―観光業の未来をささえる新たな潮流―」の基調講演があり、情報が盛りだくさんです。
宿泊産業には同時多発的にさまざまな問題が生じています。昨年の台風被害の影響がまだ続き、地球温暖化による気候変動は観光産業の最大のリスクになり、観光産業に携わる私たちにも環境対応が求められています。
人手不足も経営の足かせとなり、生産性向上が待ったなしの状況です。IT、IoT、AI技術の導入の遅れも問題です。耐震問題も業界として進んでいるとは言えません。インバウンドの受け入れ態勢の整備も道半ばです。実務の第一線で観光産業に関わっている専門家集団ならではの幅広い活動から得られるヒントは価値があります。協会ブースでお会いしましょう。