前回に引き続き、通常枠の採択率100%だった弊社の事業計画作成ノウハウを生かして、採択率の高い計画書を作るコツを紹介しよう。紹介する項目の順番に沿って作成すれば完成するのでぜひチャレンジしてほしい。
17、イノベーションの促進
感染拡大防止や生産性向上を目的とした非接触型の販売システムや予約管理システム、ウェブ販売システムなどで導入を検討しているものをまとめよう。システムの特徴を端的に示す図表や写真を入れると分かりやすい。図表作りが苦手ならば、ITベンダーのホームページやプレスリリースに掲載されているものを流用すれば良い。
観光業界は、宿泊予約や客室管理などでDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでおり、目新しいものではないが、審査委員が業界に詳しいとは限らない。スマートフォンを活用したチェックイン、決済システムなどは好意的に評価してくれるだろう。今回の補助金の審査項目となっているので、取りこぼしがないように記述したい。
18、本事業で取得する主な資産
補助事業で取り組む工事や設備などを施工エリアや新規事業の種別に応じてまとめよう。
オンライン入力書式には、建物の事業用途または機械装置などの名称・型番を記載するよう指示があるが細かく必要はない。あえて曖昧に記述することをお勧めする。細かく記入すると、交付申請する際に導入する設備や装置を変更したくても認められない可能性があるからだ。
また、採択されるかどうか分からない事業に対して、業者と価格交渉して正確な見積書を入手することは難しい。あくまで予算目標として金額を設定すると良いだろう。
取得する資産以外の機械装置・システム構築費、専門家経費、外注費、広告宣伝・販売促進費を補助金申請の対象として予定している場合には、記述しておいた方が良い。投資計画に具体性があるという点で評価してもらいやすくなるだろう。
(アルファコンサルティング代表取締役)