【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 423】成果が上がるベスト施策6 青木康弘


 前回に引き続き、売り上げや利益、顧客満足度アップに大きな効果が得られたベスト施策を紹介しよう。

14、売店にPOSシステムを導入する

 売店の売れ行きが芳しくなければ、POSシステムを導入して販売分析することをお勧めする。

 最近では、タブレットを利用した安価なシステムも提供されるようになってきた。軽減税率対策補助金制度を利用すればわずかな費用で導入できる。小規模の売店でも検討しやすいだろう。

 商品や棚ごとの販売分析データを参考に配置や商品構成を変更すれば劇的に売り上げアップすることも可能だ。

15、不採算部門の営業時間を縮小する

 不採算になりがちな和食処やスナック、カラオケ、ゲームコーナーの営業時間を思い切って短縮することをお勧めする。特に、夕朝食の接客スタッフの人手不足に悩んでいる旅館・ホテルは、人材を分散させるよりも、夕朝食会場に人材を集中させ口コミ評価向上に注力した方が良い。年間を通じて利用頻度が少なくなっているのであれば、団体向けに予約制にするか、個人客向けにチェックイン後や夕食後に滞在できる空間として改装した方が利益アップにつながる。

16、料理の部屋出しを中止する

 料理の部屋出しは旅館らしいサービスであり、可能であれば続けた方が魅力が高まるが、部屋出しの手間に見合った宿泊料金が取れていなかったり、慢性的なスタッフ不足に悩んでいたりするのであれば中止することを検討したい。高齢スタッフの退職に合わせて受注件数を順次減らしていき、最終的にはレストランでの提供へ完全移行するとよいだろう。

17、清掃手順についてマニュアル作成を行う

 お客さまから非常に悪い口コミ評価をいただく引き金となるのが清潔感の欠如である。素晴らしい料理とサービスを提供しても、客室の洗面台やゴミ箱、冷蔵庫に前日泊客の痕跡が残っていればクレームとなる。マニュアルを作りスタッフに徹底することで、大幅な口コミの改善が可能だ。効率的に動くスタッフを基準にマニュアル化すれば、不備の撲滅だけでなく、1室あたり清掃時間の短縮にもつながる。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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