【観光業界人インタビュー】日本温泉協会 専務理事 関 豊 氏 


◎…日本大を卒業して入社した朝日旅行では「傍流」(笑い)という営業畑を歩き、「若いころに担当した巡礼と登山・ハイキングのツアーが思い出に残っている」と振り返る。隆盛を極めた団体(宴会)旅行を経験し、2011年からは日本秘湯を守る会の事務局長を兼任、会の40周年記念事業に携わった。17年2月、「朝日旅行一筋」という生活にピリオドを打った。

◎…しばしの休職後、日本秘湯を守る会名誉会長で日本温泉協会常務副会長でもある佐藤好億氏から誘いを受け、同年5月に温泉協会に就職。理事を経て、12月の理事会で専務理事に就いた。「会員減で運営は厳しい状況にあるが、温泉に対する(世間の)関心がなくなることはない。温泉に関係する事業体や愛好家が入りやすい仕組みを作り、すそ野を広げていきたい」と語る。創立90周年(19年)への準備、温泉名人検定制度(仮称)創設や天然温泉表示看板の見直し、温泉必携の改訂作業のほか、事務局体制の再構築などやることがたくさんある。どうかじを取るのか、腕の見せどころだ。

◎…趣味と実益を兼ね、秘湯をはじめ、全国各地の温泉に足を運んだ。「最近では山口県山口市の柚木慈生温泉がとても印象的だった。炭酸泉でとても濃く、入ってみる価値がある温泉」と目を輝かせる。「温泉に入って社寺を巡るのが何よりの楽しみ」で、沖縄の琉球八社巡りと硫黄島の温泉に行くのが当面の目標だ。SNSもはじめ、「いいね、をもらえるとうれしい」とにっこり。東京都出身、52歳。

【内井高弘】

 
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