【竹内美樹の口福のおすそわけ 270】熱々の点心が二重丸! 宿泊料飲施設ジャーナリスト 竹内美樹


 先日久々に、沖縄の定宿「ホテル日航アリビラ」を訪れた。スペイン語で「くつろぎ」を意味するAlivioと「別荘」を表すVillaを合わせたというその名の通り、花であふれたパティオや美しいビーチなどステキな空間に心が癒やされる。

 心だけでなくおなかも満たしてくれる数々のレストランの中でも、よく利用させていただく中国料理「金紗沙」のランチはハーフバイキング。点心はオーダー制、他のお料理はブッフェスタイルで提供されている。

 店舗に入ると、正面に置かれたお茶の棚が目に入る。その数12種類。凍頂烏龍(ウーロン)茶、ジャスミン茶といった定番以外にも、白桃の香りの烏龍茶やハーブティーなど、ポットサービスで好きなだけいただける。

 席に着くと、まず点心をオーダー。いつも欠かさないのが小籠包! サスガ飲茶の本場台湾から招聘(しょうへい)した点心師が作るだけあって、肉汁キターッ!というタイプ。ついつい、毎度2蒸籠(せいろ)は食べてしまう。

 続いて蒸し餃子。正統派のエビ入り、皮が緑色のニラ入り、香りが病みつきになる紫蘇(しそ)入り、ちょっとぜいたくなフカヒレ入り。4、5月のおススメ小エビシューマイも魅力的なのでオーダー。

 注文を終え、いざ、お料理ブッフェに突入! 中華クラゲのあえ物やピータン豆腐、魚の南蛮漬けなど冷製前菜の他、サラダ系が充実しているのもうれしい。

 点心つながりの蒸籠蒸しや揚げ物コーナーもある。エビすり身団子やハチノスの他、沖縄らしく豚足の煮物や軟骨ソーキも! コラーゲンぷりっぷりな豚足、おいちい♪そしてパリパリな春巻や、筆者の好物咸水角(ハムスイコー)(揚げ餅餃子)も。

 この辺りでいったん席に戻って点心をいただき、次は牛肉の沙茶醤(サーチャージャン)炒めや海鮮のバジル炒めなど月替わりの温製料理へ…と言いたいところだが、残念ながらおなかに余裕がなくなってきたので、同行者たちがチャーハンと麻婆豆腐を食すのを横目で見ながら、豚肉入りあんかけ焼きそばにて終了。デザートは、杏仁豆腐、マンゴープリンはモチロンのこと、ゼリーやケーキなどの他、ソフトクリームまで! お料理を含め、全部で50種類以上にのぼる。

 超大満足なのに、価格は税サービス料込みで2800円とお得だから地元客も多く、週末にはウエイティングの列ができるが、金額は平日と変わらない。しかも時間制限がないから、ゆっくりお食事が楽しめる。普通ならここぞとばかり稼ぐところなのに、太っ腹!

 今回、イマドキはやりのタピオカティー同様、台湾で人気の「チーズティー」があった。ブラックタピオカとクリームチーズ入りの烏龍茶だ。昨秋就任された福井朋也GMがお若いからこそ、こうした新感覚の企画をどんどん取り入れておられるのだろう。

 延べ床面積3万8千平方メートル、客室総数397室、収容人数1168名と大きなこのホテル、今年開業25周年を迎えたこともあり、GMへの期待はさぞ膨らんでいるに違いない。ぜひ頑張っていただきたい。応援します!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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