バンコクで開催された世界のタビナカのOTAや事業者の祭典から招待を受け、参加してきた。最新データによると世界の主要OTAにおいては、1~2日前での予約が全体予約の50%を占めているという。
旅に行く時、皆さんはどんな流れで何から予約をするだろうか。
旅行会社に全部お任せという方もいるだろうが、旅慣れた人ならOTA等で個人手配での調整が多いのではないだろうか。その時の予約フローをイメージしてほしい。
まずは行く場所・時期を決める。航空券を押さえる。主要訪問場所・企画を考えて、移動チケットやホテルを押さえる。価格が変動しやすく、大きな変更点がないこれらをまずは決定するのではないだろうか。人気が高い主要チケットは早めに手配をしつつも、それ以外のアクティビティに関しては、天気を見たり、誰かにオススメを聞いたりした上で判断しないだろうか。
訪日観光客がリピーター中心になってきていることを考えると、逆もまた然りというイメージがわくだろう。
タビナカの予約拡大においては、いかに手仕舞いでの期間を短くしていくことが大事か理解してもらえるのではないだろうか。より、在庫管理や手仕舞いの短期化、即時予約の仕組みを考えていくことが誘客拡大における大事なポイントになってくるだろう。
では、タビナカの売れ筋傾向を掘り下げてみたい。弊社がアライアンスを組む海外主要OTAにおける販売実績を聞いたところ、(1)交通パス・Wi―Fi(2)アトラクション・ショー(3)着地型ツアー(1dayツアー)(4)アクティビティ(5)食関連のブッキング―の順で多いようである。
交通パスやWi―Fiはジャパン・レール・パスや関西スルーパス等の需要である。やはり、移動が楽に展開できるとうれしいというものは理解できるだろう。ヨーロッパでユーレイルパスを購入して移動していくのと同じ感覚だろう。
アトラクション・ショーは、純粋にディズニーやUSJ等のテーマパークが特にアジア圏からの根強い人気があることによるものだ。また、ロボットレストラン等のショーは欧米系の需要が高い。
着地型ツアーは効率よく回っていきたい需要として理解できる。自分で手配するよりも複数箇所を簡単に回れることや、各所のチケット手配の手間が省けるといったことがメリットとなってくるだろう。主要国における1dayツアーは、効率的に人気スポットを回れるものが多い中で、日本のそれは正直まだそのレベルに達していないものが多いことを考えると、まだまだ磨き上げの余地がある。
アクティビティや食関連も人気上昇中の領域であるが、まだまだ需要に対して日本のそれがマーケット需要に追い付ききれていない。常に旅行客目線や世界の観光地でのスタンダード目線で日本がまだ追い付いていないことを一つ一つ見極めて強化していくことがより求められているだろう。
(地域ブランディング研究所代表取締役)