地域の文化遺産を保存、継承し、まちづくりに生かすために、文化遺産を「経営」する力が求められている。文系・理系、有形・無形の壁を越え、総合的、現実的に取り組むための視野と知識が欠かせない。同書は、建築、アート、歴史から政策、金融、税制まで幅広い観点から具体的に解説。日本初、「文化遺産経営」の教科書。
文化遺産のマネジメントには三つの「役割」があるという。一つ目が、地域の今日的課題(人口減少、少子高齢化、社会包摂、観光など)の解決に貢献すること。二つ目が、地域の歴史的な特色や重み(独自性)を再確認し、そのまちに暮らす誇りを形成すること。三つ目は、歴史遺産を保存、継承する技法や技術を残す、あるいは技法や技術を磨くこと。そして、その文化遺産経営を持続可能な形で実現させるには、文化遺産経営の人材、資金調達のための努力、専門的知識が必要だと指摘する。
A5判、240ページ。発行は学芸出版社。定価は2600円(税別)。