6月1日に渋谷ヒカリエホールで、アカデミー賞公認の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2017」オーブニングセレモニーが開催されました。
700席用意された会場は満席。監督や映画出演者はレッドカーペットを歩き、ステージ上に登場。河瀬直美監督、EXILE HIROさん、倍賞美津子さん、山田孝之さん、鳥居みゆきさんが、華とオーラで私たちを魅了しました。目も眩むきらびやかな世界がありました。
ショートフィルムとは、わずか1分という作品から25分以内程度の映像を指します。それまで日本になかった新しい形の映像を紹介するために、別所哲也さんが代表となり1999年に映画祭が立ち上がりました。
これまでショートフィルムに縁のなかった私は、その短い時間に込められた強いメッセージと物語に魅かれると同時に、肩ひじ張らずに気軽に観ることができる愉しみを知りました。
また、才能あふれる若手のクリエーターが台頭する世界ですから、コロンビア大学で学ぶ若き日本人女性の映像作家の後藤美波さんの登場には、観客である私もわくわくしました。
2010年には、観光庁と共に観光映像大賞を設立。日本の映像を通じて、世界に日本への旅を誘う目的で、全国から募集。ちなみに昨年度の大賞は行定勲監督の「うつくしい人(熊本県)」が受賞しました。今年からは、国内だけでなく世界各国からも募集する「第一回インターナショナル観光映像大賞」となり、大賞は宮城県が制作した「Go! Hatto 登米無双」でした。
そして本年度からVISIT JAPAN大使特別賞が新たに設けられました。受賞作はスイスで製作された「The Great Escape」(2分42秒)。『アルプスの少女ハイジ』の舞台になった山の景色が美しいマイエンフェルトとチューリッヒ中央駅をウエブでつなぐちょっといい話。やり取りをする出演者の表情が笑いを誘う作品です。
この特別賞のプレゼンターは、VJ大使代表としてコシノジュンコ先生。「受賞作はユニークでした。映像というのは、どこにいても繋がれる。観光は国の光を観るもの、私たちも日本の魅力を映像で発信しましょう」とスピーチされました。
映像は言語を越えて、世界中で共有することができます。
現在、地方自治体や観光地で短い映像を制作し、SNS上で拡散する動きが観光促進の主流になってきていますが、多数の良質な作品を観ることが、映像制作のヒントとなるのは違いありません。観光映像大賞は候補作も含め、「旅もじゃ」ウエブサイトでご覧頂けます。
VISIT JAPAN大使の仲間である別所哲也大使のご活動に、心から敬意を表します。
(温泉エッセイスト)