日本の古き蔵をテーマに
東京の新宿区百人町にある宿泊特化型ホテルの「新宿 百蔵」は2019年12月の開業。東京、京都、沖縄の宮古島で宿泊施設を展開する三光ソフラン(さいたま市)が開発と運営を手掛けている。館名は住所の「百」と、コンセプトの「蔵」を合わせた。JR中央・総武線・大久保駅から徒歩3分という好立地ながら低価格で宿泊できる。
開業当初は、想定していたインバウンド観光客により高稼働を維持していたが、コロナ禍すぐに日本人観光客にターゲットを切り替え「現在も順調な入り込み状況。連泊される常連客も珍しくない」と三光ソフラン常務の有保誠氏。
百蔵の躯体は築40年の法律学校を日本の古き蔵をテーマにリノベーション。リニューアル工事は、旅館・ホテルを数多く手掛けるミサワリフォームが担当した。
外観は、日本瓦と左官仕上げで蔵のイメージを演出する。夜間はライトアップされ、都心とは思えない風情を醸し出すほか、館内デザインにアレンジされた天然竹を積極的に取り入れ、部屋名プレートに繊細なレーザー彫の木製板の採用など、自然素材にこだわっている。
百蔵は3階建ての全15室。エレベーターを新設し、大小さまざまなタイプの客室を用意した。やぐらベッドを採用し忍者屋敷の雰囲気を演出した客室や、露天風呂付きの客室もあり、人数の増減もコネクティングルームで対応。全客室にはミニキッチンを設置し、テレワーク需要も見据え、長期滞在客の利便性を考慮している。
有保氏は、「隠れ家的な雰囲気がインスタ映えすると評価されている」と話す。百蔵は、ミサワ施工の物件の中から優秀作品を選出するデザインコンテスト「MGリフォームコンペ」の最優秀賞を受賞している。
この件についての問い合わせ先は、ミサワホーム旅館ホテルリニューアル担当TEL(0120)398330。
新宿 百蔵の外観(上)とツインルーム