【体験型観光が日本を変える35】青少年の健全育成を 藤澤安良


 国政は二つの学園問題の最中だ。誰かが嘘を言ったり、隠蔽したりしているだろうという疑惑が晴れていない中、大臣やその側近などに加えて議員などの相次ぐ失言、暴言あるいは暴力の疑いまで出てきている。誰のための国会議員、大臣や副大臣、政務官なのかその資質が問われている。人間力の足り無さを感じずにはいられない。

 そんな中、都議会議員選挙が行われた。一地方選挙で国政とは関係ないと言ったり、国政を述べても実現できないなどと言ったりする人がいたが、わが国の1割以上の人が働き暮らす首都東京の行く末は、オリンピックや豊洲市場、待機児童や授業料などの問題があり、国家に大きな影響を与えるのは当然のことである。今日、ここに至ったのは、本来、行政をチェックすべき都議会の怠慢が招いた結果である。都民の選択の結果は、知事に近い党派が過半数をはるかに超え、自民党は23議席にとどまった。どの党派であろうとチェック機能を発揮してほしいものである。

 政策の一つとして、高校授業料の無償化がある。「今時、高校ぐらいは」と言うなら、大学までも無償化でよい。これだけ少子化が進み、児童生徒が減少する中、わが国の未来を背負う青少年の健全育成に力点が置かれずにいるなら、他国との教育格差は広がるばかりとなる。

 その教育現場では、新学習指導要領等が公示され、「生きる力を育む」の基本的な考え方は継続された。「主体的・対話的で深い学び」の充実を目指す。

 ・生命の有限性や自然の大切さ、挑戦や他者との協働の重要性を実感するための体験活動の充実(小中・総則)

 ・自然の中で集団宿泊体験活動や職場体験の重視(小中・特別活動等)

 ・ボランティア活動などの社会奉仕、職業体験の充実(高校・特別活動)

 ・職業教育において、産業現場等における長時間の実習を取り入れることを明記(高校)

 ・人間としての在り方生き方に関する学習を充実(高校・公民「現代社会」、特別活動)

 以上のような要項の趣旨が明らかになった。

 「人間としての在り方生き方」は、人間力育成の基本であり、残念ながら自己中心的な意識が拡大する事象を数多く目にする今日、議員や官僚は言うに及ばず、社会や大人が自ら範を示さなければ説得力がない。

 体験教育分野の修学旅行や野外活動などでは、前述の指導要領の内容はすでに実践している目的や内容がほとんどであり、受け入れ地域はさらに精度を高め、自信を持って準備をし、学校や旅行会社に適地性や先進性をアピールする必要がある。

 
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