【体験型観光が日本を変える 186】アフターコロナは時間使いを意識 体験体験教育企画社長 藤澤安良


 新型コロナウイルスは人によって症状がさまざまらしい。74歳のどちらかといえば高齢者になる米国のトランプ大統領は入院からわずか3日で退院し仕事場に復帰している。果たして本当に陰性になったのか、周囲のスタッフら、クラスターともいえる20人以上の感染者がいるというのに動き回っている。

 まるで軽い風邪のようなものだとアピールするつもりなのだろうか、10日や2週間という暗黙の回復期間は一体何なのだろう。最高の医療スタッフに手厚く看護される特殊な人が他にいない中で、まねをして動き回る人が出ないことを望むばかりである。米国のトップの奇妙な価値観に感染拡大の心配は残ってしまう。

 日本ではコロナ禍の影響もあって厚生労働省の調べで雇い止めと言われる人が6万3千人にも及んでいる。製造業やサービス業が多く、飲食や宿泊業で1万8千人を超えた。つまりは、3月からのほぼ動いていない半年の影響は極めて深刻で、「Go Toトラベル」の効果を待てないまま、観光産業への影響は大きい。それは同時に運輸業にも及ぶ。

 航空機、鉄道、高速バス、貸し切りバスなど大きな金額の赤字が出ており、減給や賞与の減額やそれすらない場合もあるなど雇用にも大きく影響を及ぼしている。さらには、継続のために多くの資金調達が必要になり、大手企業では数千億円に上る場合もある。それでも、未来に向かわなければならない。

 早くコロナ禍を脱出し、政治も企業も新しいアフターコロナに向かう道筋を示さなければならない。夢と希望を語り、それを現実にする行動力が求められている。

 コロナでの大きな赤字を計上するJR東日本は、アフターコロナを見据えた中で、航空機の札幌便との時間競争に戦いを挑む。東北新幹線が2031年の札幌までの延伸時に東京から4時間半を目指して、盛岡から新青森間で時速260キロから320キロにスピードアップし、5分間短縮するための防音工事を開始するとのこと。

 また、上野から大宮の埼玉県区間は110キロから130キロにするとしており、1分短縮になるという。その両方で6分の短縮となり、工事費は約130億円にも上ることが予定されている。まさに、タイムイズマネーである。

 時間は放っておいても、何もしなくても過ぎてゆくが、改めて時を大切に使わなければならないと思う。しかし、何もしない時間が人の活力や鋭気につながることもある。仕事を効率よくすべき時なのに、さぼるのはあまり誰も幸せにはしない。

 アフターコロナの時代は、時間使いのメリハリが必要になる。浮いた時間で何をすれば心豊かになるのか。今までの価値観にとらわれず、「新しい価値創造」が必要な変革の時代となる。それは同時に都市一極集中からの脱却を目指す地方の時代でもある。

 誰かがやってくれるだろうと待っているだけでは何も起こらない。諦めからも脱却しなければならない。企画し提案し行動するという攻めの時代にしなければコロナ後の未来は開けない。

 
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