【令和時代における交通インフラの人材採用2】人材業界との出会い 女性バス運転手協会代表理事 中嶋美恵


 前回は、私の社会人人生のベースを作ってくれた伊藤園でのキャリアについてお話しいたしました。今回は、次に入社したリクルートについて話します。私がその後打ち込むこととなる「人材事業」の基盤となった会社です。リクルートでは、HR領域(「ヒューマンリソース」と呼ばれる人材領域)の営業を担当しました。取り扱い媒体はリクナビNEXT(B―ing)、とらばーゆ、はたらいく、From―A、タウンワークなど。アポイント獲得~プレゼンテーション~受注&アフターフォローの仕事です。業種、職種の制限もなかったため、さまざまな業界の採用に携わりました。

 人材ビジネスというのは、「情報発信し、ある企業とある人のご縁をつなぐ」という、なかなかピンときづらいビジネスかもしれませんが、はまるとたまらなく面白いのです。人の人生を動かすことにつながるため、難しい半面とてもやりがいがあります。業界、職種、募集期間、募集人数、必要な資格や経験、勤務地、勤務時間、休日休暇、給与、福利厚生、雇用形態…さまざまな条件や事情を反映し、魅力ある情報発信をしなければ、マッチした人材は集まりませんし、定着率にも影響します。繁華街と郊外、大手と中小、業務内容によってもカスタマイズが必須となります。「ただ募集すれば採用できる、という単純なものではない」。そのことをリクルートの7年間で学びました。時には失敗もしましたが、たくさんの案件を扱ってきたことで、経験値、相場観を養うことができたと実感しています。

 中途入社にも関わらず、教育、研修は非常に充実していました。また、社員一人一人のモチベーションをアップさせるのもさすがにうまい会社でした。上手に乗せられて、あっという間に時間が過ぎたという印象です。当時は怖くて仕方なかった上司や、優しく厳しく支えてくれた先輩方、同僚には感謝しかありません。伊藤園時代は事務職でしたので、私はリクルートで営業を覚えたわけですが、営業というのは仕事のみならず、人生を歩く上でも非常に役に立つツールです。実は最初は営業が嫌で嫌で仕方がなかったのですが、今は、営業は自分の天職だと思っています。リクルートで過ごした7年間があったからこそ、今の自分があると感じています。

(リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)

 
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