【令和時代における交通インフラの人材採用10】バスの形態(1)路線バス 女性バス運転手協会代表理事 中嶋美恵


 「バス」というと、どのようなバスをイメージされるでしょうか。お客さまを乗せ、各バス停を巡回する…。当社調べでは、身近な交通手段ということもあってか、まず「路線バス」を思い浮かべる方が多いようです。人々にとって、路線バスはなくてはならない交通インフラであることは、いうまでもありません。日本の主な路線バス会社は、大手鉄道の子会社や地元の名主である企業がほとんどですが、最近では新たに参入するバス会社も増えてきています。

 路線バスは乗客が減少し、路線維持に苦戦している事業者が増加している一方、V字回復を図るべく乗客を増加させるための自社努力を続けている事業者もあります。例えば、親が車で送り迎えしていると、子どもが路線バスの乗り方を知らないという状況が起こります。そんな子どもたち向けに「路線バスの乗り方イベント」を開催しています。また各エリアで「バスまつり」(9月20日の「バスの日」にちなんでその前後に開催されることが多い)が行われます。子どもたちにバスに興味をもってもらうため、バス事業者のキャラクターショーやグッズ販売、乗り降りできる実車を配置するなど人気のコーナーが並びます。

 そしてこれからの季節、バス運転手やバス事業者の広報担当者がサンタクロースのコスチュームで乗車する「クリスマスバス」も好評です。

 最近では政府の推奨の波に乗り、キャッシュレス決裁の導入、統一化や、バスの現在地が確認でき、あと何分でバスがバス停に到着するか知らせるアプリの開発なども進んでいます。新車両は「ノンステップバス」が主流です。(2段上がって乗車するバスを「ツーステ」、1段上がるバスを「ワンステ」、段差なく乗車できるバスを「ノンステ」と呼びます)

 今年は台風や大雨により路線バスの営業所が被災しました。バスの車体が水に浸かってしまい何十台も廃車を余儀なくされたというバス事業者が何社もありました。その結果、水が引いても車体が使えないためダイヤを維持できず、地元住民の足が奪われてしまっている現状があります。改めて交通インフラとしての路線バスの必要性を感じずにはいられません。

 被災したバス事業者が一日も早く営業所・バスを復旧され、日常のあるべき姿を取り戻されることを心より祈念致します。

 (リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)

 
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