【データ】新型コロナウィルスによる訪日外国人・日本人の動向調査


 オキシゼンは27日、「新型コロナウィルスによる訪日外国人・日本人の動向調査」の結果を発表した。

Oxyzen(オキシゼン)株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:松井康至)は、訪日外国人の国や地域・動向分析サービスである「TRAVEL INSIGHTS」(トラベルインサイト)により、東京新宿の西口地域において、新型コロナウィルスによる訪日外国人および日本人の動向を調査し、その影響は国ごとに異なっていることが分かりました(対象期間:2020年1月1日~3月24日、母数:20,761)。
■中国人の動向
毎年、春節の連休には多くの中国人が日本を訪れますが、今年は中国の春節の期間(1月24日~1月30日)に突出したピークは認められませんでした。しかしながら減少自体は認められないため、春節には一定数の中国人は訪日していたと推測されます。1月28日に中国政府による海外渡航の自粛の声明が発表されましたが、その直後の1月30日から2月4日に掛けて急激な減少が認められ、その後は低調に推移していることが分かります。急激な減少の前と、後では約35.0%の減少となりました。
■韓国人の動向
韓国でも春節(旧正月)は連休でしたが、中国人とは異なり、その期間に明瞭なピークが存在しています。韓国では1月19日に初の症例が確認されましたが、その後しばらくの間大きなクラスター感染がなかったため、大きなぶれはありませんでしたが、2月18日にテグにある新興宗教の教会での大規模感染が確認された数日前から急激な減少傾向が認められ、その後は低調に推移していることが分かります。急激な減少の前と、後では約24.4%の減少となりました。なお、3月5日から日本政府による入国制限強化がスタートしましたが、それ以前から低調となっていました。
■2019年の韓国での不買運動との比較
韓国では2019年の7月より、日韓関係の悪化による日本製品の不買運動が起こりました。その日本製品の中には「旅行」も含まれ、旅行を控える動きもありました。7月一杯に掛けて不買運動が激しくなりましたが、旅行の分野においては7月の終わりくらいから韓国人の急減が顕在化しました。その後長期に渡って減少傾向が続きましたが、春節(旧正月)の前までの傾向線をみると緩やかに上向いており、不買運動の影響は底を打っていたと推測されます。その後、旧正月で急増が認められましたが、直後に新型コロナウィルスによる影響により急減が認められました。不買運動の影響と新型コロナウィルスの影響とを比較すると、現段階では、カウント数の推移から後者の影響のほうが大きいことが分かります。
■日本人の行動
中国人と韓国人ではどちらも「急減の期間」が認められましたが、日本人には急減は認められず、3月24日までは緩やかな減少となっています。調査地点は西新宿のビジネスエリアですが、リモートワークの実施は3月24日までの時点では限定的と言えるのかも知れません。

■まとめ
今回の調査では次のようなことが推測できると考えられます。

・中国人と韓国人では確実に減少したが、そのタイミングは異なる
・春節(旧正月)に韓国人は急増し、中国人は一定数は訪日していた
・韓国の不買運動による影響と比較すると、新型コロナウィルスの減少の方が影響が大きい
・ビジネスエリアにおける日本人の減少傾向は、3月24日時点では限定的である
(リモートワークの実施も限定的であるようだ)


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