「実費精算」が56% 2年連続過去最高
コスト削減意識で「定額制」は減少
全国で独立系ホテルのキャッシュバックポイントカード運営を手掛けるAカードホテルシステム(本社・東京都)は1月、「出張ビジネスマンのホテル利用実態調査」をインターネット上で行った。出張ビジネスマンの宿泊費について、実際にかかった費用を精算する「実費精算」方式と、あらかじめ会社側で費用が決められた「定額制」方式では、実費精算の比率が56%と、2009年の調査開始以来、2年連続で過去最高となった。同社では、実費精算では宿泊費を安く抑えようというインセンティブが少なくなるとして、「客室単価向上のため、実費精算者向けに訴求する宿泊プランの販売強化が必要であることを示唆している」としている。
調査はキャッシュバックポイントカード「Aカード」を持つ会員に実施。会員の0.6%の5782人が回答した。回答者の79.6%が30~50代、91.2%が男性で、出張に伴う年間平均宿泊数は41泊。
今回の調査では、実費精算が56%で、前回調査(19年1月)と同じ比率だった。一方、定額制は38%で、前回調査から1ポイント低下。その他が6%で、同1ポイント上昇した。
実費精算は09年1月の調査開始時は36%だった。以降、上昇傾向が続き、16年1月調査で50%を突破(51%)した。
「ホテル宿泊費に関する出張規定が定額制方式であれば、予算に対して宿泊の利用実額を安く抑えようとするインセンティブが働くとされている。しかし、企業のコスト削減意識とコンプライアンス意識(経費精算の厳密化)の向上に伴い、定額制方式の比率は徐々に減少し、一方で実費精算方式の比率が上昇している」(同社)。
アンケート回答者の実際の宿泊利用金額を実費精算方式と定額制方式別に見ると、実費精算方式では6千円台が27.5%と最も多く、7千円台が27.4%とこれに続く。
一方、定額制方式では5千円台が34.3%と最も多くなっている。
「実費精算方式で宿泊する出張ビジネスマンの方が、定額制方式で宿泊するビジネスマンより、より高い金額で宿泊する実態が明確に浮かび上がっている」(同社)。
調査では宿泊予約の経路、予約のタイミングなども聞いた。予約の経路は「自分でインターネットで予約する」が68%と最多。以下、「自分でホテルに直接電話をかけて予約する」(19%)、「他の人(上司、アシスタント等)が予約してくれる」(6%)、「担当管理部署が予約してくれる」(5%)、「自分で旅行代理店へ予約する」(2%)などだった。
「自分でインターネット―」は過去5年間でも一貫して最も大きな比率を占めている。
予約のタイミングは、宿泊の「1週間前」が45%と最も多く、「1カ月前」(24%)、「2~3日前」(16%)、「1カ月以上前」(11%)が続く。
過去の調査と比較すると、「当日」「前日」「2~3日前」など直前予約の比率が微減傾向、「1カ月前」の比率が微増傾向となっている。