インテージは8日、位置情報による京都旅行者の分析調査の結果を発表した。
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚純晃、以下:インテージ)は、日本を代表する観光地・京都を訪れた旅行者の実態を、国内旅行・観光市場の実態について「行動」と「意識」の両面から精緻に捉えられるデータサービス「うご-kit」のデータソースである位置情報と、旅行者属性情報を用いて分析いたしました。その結果をご紹介します。
[ポイント]
- 10~20代の旅行者が半数占める伏見稲荷エリア、 50代以上が4割の京都御所エリア
- 伏見稲荷エリア訪問者は道頓堀、USJへ足を伸ばす人が京都御所エリア訪問者より多い
10~20代の旅行者が半数占める伏見稲荷エリア、 50代以上が4割の京都御所エリア
祇園、嵐山、清水寺など、いくつもの見どころを擁する京都。各エリアを訪れる旅行者の年代に違いはあるのでしょうか。「うご-kit」の位置情報と旅行者属性情報から調べてみました。特徴的な違いが見られたのは「伏見稲荷エリア」と「京都御所エリア」でした(図表1)。
図表1
伏見稲荷エリアは若年層の多さが目立ち、10~20代で47%と訪問者のほぼ半分を占めていました。一方で、京都御所エリアは50代以上の来訪が特に多く、約4割を占めていることがわかりました。
伏見稲荷大社は“フォトジェニック”な観光スポットとして千本鳥居が有名で、旅行口コミサイトのトリップアドバイザーの「外国人に人気の日本全国・観光スポット」の最新ランキングでも1位を獲得する人気スポット。“SNS映え”の要素が若年層を引き付けている一因かもしれません。実際、インスタグラムでの「#伏見稲荷大社」投稿数は約41万件なのに対し、「#京都御所」は約4万件(2018年11月2日時点)と十分の一にとどまっています。フォトジェニックな伏見稲荷大社に対し、京都御所エリアはゆっくり庭園や歴史の舞台の内部を味わうような場所。そのエリアの楽しみ方の違いが、異なる客層を呼び込んでいることが、この分析結果から見えてきます。
伏見稲荷エリア訪問者は道頓堀、USJへ足を伸ばす人が京都御所エリア訪問者より多い 旅の楽しみ方が違えば、観光ルートも変わってきます。図表2は「うご-kit」の位置情報を使って伏見稲荷エリア、京都御所エリアを訪れた人がそれぞれ、次にどの観光地(京阪神の主要観光エリア)へ移動したかを分析した結果です。
図表2
伏見稲荷エリアを訪れた人は、京都御所エリアを訪れる人と比べ、次に道頓堀エリアやUSJエリアといった大阪府の観光スポットに移動することも多く、旅における行動範囲が比較的広い様子であることがわかります。10~20代の若年層が“SNS映え”も申し分ない、関西有数の繁華街やテーマパークまで足を伸ばして楽しんでいる姿が目に浮かびます。