日本政府観光局の発表によると、2016年1~11月の訪日外国人の数は2198万人。年間で初めて2千万人を突破。06年は733万人だったので、10年前と比べて3倍まで伸びている。
ここ最近の訪日外国人の傾向は、団体旅行から個人手配旅行へ、買い物中心の「モノ消費」から体験型の「コト消費」へ、東京、大阪の都心部から地方へと変化しつつある。この変化はウェブサイトのアクセスログも連動している。
例えば、東京、大阪のホテルの場合、15年は海外からのアクセスが急増し、16年は減少している。一方、地方のホテル・旅館は、16年の方が海外からのアクセスが増加している。
本コラムでは、訪日外国人のニーズや行動の変化を踏まえ、宿泊施設向けに、自社で行う「FIT集客」方法を伝えていく。訪日外国人増加を一過性で終わらせないために、三つのポイント、(1)訪日準備段階の「旅マエ」(知る、知らせる)(2)訪日旅行中の「旅ナカ」(もてなす、体験させる)(3)訪日旅行後「旅アト」(拡散させる、振り返る)―の取り組みが重要とされている。
訪日外国人をターゲットとしている企業は「旅マエ」(情報発信)、「旅ナカ」(IT技術、スマホ)、「旅アト」(行動分析・クチコミ分析)を攻略するために試行錯誤を繰り返しながら実践している。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年は4千万人が目標とされる。あと3年間で、「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のサイクルを自社で回せるようになるか?
FIT集客成功のカギはデジタルマーケティングを駆使した取り組みだ。
(コレリィアンドアトラクト代表取締役)