自ら仕入れる旬の幸
第601回よその旅館ホテル
──宿の一番の売りは何でしょうか。
「地元の食材を使い、板長が腕をふるう料理です。毎朝中央市場まで出向き自分で仕入を行っています。仲卸の資格があり良い品を安く入手できますから、その分お客さまに還元しています」
「これからの時期の一押しはもちろん活ズワイガニです。カニ会席を楽しんでいただけるプランの中でも『カニづくしプラン』は、ゆでズワイガニ1杯のほかカニ刺し、焼きガニ、カニの天ぷら、カニ鍋、蒸し物が付き、ズワイガニを味わい尽くせる内容です」
──改装も行われたようですね。
「07年にロビーを改装したほか、露天風呂の付いた離れを増築しました。このほか露天風呂付き客室も1室あり、いずれもリピーターの方が付くほどの人気です。3つある貸し切り風呂も好評です」
──客層は。
「個人客が2割、団体・グループ客が8割で、個人客は関西、中京圏の方、団体・グループ客は県内、特に福井市や坂井市、あわら市の方が中心です。お客さまとのコミュニケーションを大切に、『家族的なもてなし』『地元密着』を心がけていることが、地元のリピーターの獲得につながっているのかもしれません。予約は個人客の95%がウェブ経由、団体客の95%が電話によるものです」
──経営の課題は。
「ウェブ経由の集客を増やしたいですね。自社サイトからの予約を増やすのが理想ですが、費用対効果を考えると容易ではありません。ですので、販売比率が高まりつつあるじゃらん、楽天のサイトでの情報発信に力を入れたいと考えています。まだ当館の魅力の2、3割しか紹介できていませんからね」
【19室、1泊2食1万3千円から】