おがくずを燃料に活用
第578回よその旅館ホテル
──宿の創業は。
「昭和31年です。私は地元の金融機関に勤めていましたが、昭和47年に父のあとを継ぎました」
──宿の特色は。
「筑後川の河畔にある宿で温泉はかけ流しです。ラジウム泉で飲用もできます。川魚が地元の名物でウナギ、アユ、川ガニなどをお出しします」
──ボイラーの燃料におがくずを使用されているとか。
「おがくずを燃料としたボイラーを昭和54年に導入し、湯の加温に使っています。センサーを付けて火力を調整できるようにしてあり、特許も取得しました。コスト削減につながっていますし、CO2(二酸化炭素)削減などの効果から、大学やメーカーの視察も来ます。中国からも技術協力の依頼があり、青島に訪れたりもしています」
──環境設備の導入に向けた課題は。
「初期の設備投資が負担になるので、旅館・ホテルに対する公的な金融支援制度が必要ではないかと思います。地域によってはあるようですし、バリアフリーの設備なども含め、何らかの支援制度があればもっと整備も進むと思うのですが」
──環境に配慮した宿というPRもされているのですか。
「環境への関心は高まっていますが、集客に結びつけるには何か工夫が必要でしょうね」
──目下の経営課題は。
「やはり景気が良くならないと。依然として消費者の財布のヒモは固いように思います。宿泊業にはどうしても設備投資の負担がありますから過去に大きな投資をしたところは苦しいはずです。金融、税制の両面で何か対策を打ち出してほしいと思います」
【17室、1泊2食1万500円から】